オフィスづくり用語集|レイアウト・内装・設備・家具の専門用語をやさしく解説
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オフィスづくりの打ち合わせでは、業界特有の専門用語がよく出てきます。意味がわからないまま話が進んでしまうと、思っていたものと違う結果になることもあります。
この記事では、よく使われる用語をまとめて解説します。詳しく知りたい用語は、関連するコラムもあわせてご覧ください。
後半では、移転・賃貸契約、図面の読み方、ICT・セキュリティ、家具の仕様、運用・管理の用語を追加し、打ち合わせで混同しやすい言葉の使い分けも解説します。
特に押さえておきたいのは、ゾーニング・ABW・フリーアドレス(働き方とレイアウト)、A工事・B工事・C工事・OAフロア・原状回復(内装と工事)、照度・色温度・排煙(設備と法規)、差尺・ファイルメーター(家具)の用語です。
働き方・レイアウトの用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| ゾーニング | 家具を並べる前に、各エリアの配置を決めること |
| フリーアドレス | 座席を固定せず、空いている席を使う働き方 |
| グループアドレス | 部署ごとのエリアの中で自由に座る方式 |
| ABW | 仕事の内容に合わせて働く場所を選ぶ考え方 |
| ユニバーサルプラン | デスクの配置を統一し、組織変更では人が移動する考え方 |
| 対向島型 | デスクを向かい合わせに並べたレイアウト |
内装・工事の用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| A工事・B工事・C工事 | 工事の発注者と費用負担による区分。B工事は入居者負担でビル指定業者が行う |
| OAフロア | 床を二重にして、床下に配線を通す仕組み |
| 原状回復 | 退去時に入居時の状態に戻すこと |
| 居抜き | 前の入居者の内装・設備を引き継いで入居すること |
| 天井伏図 | 天井の照明・空調・防災設備の位置を示した図面 |
| 不燃材料 | 燃えにくい材料。内装制限のある部屋で使う |

設備の用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 照度(lx) | 机の上などの明るさ。執務エリアは750lx程度が目安 |
| 色温度(K) | 光の色。数字が大きいほど青白く、小さいほど暖かい色 |
| UPS | 停電時にも一定時間電源を供給する装置 |
| PoE | LANケーブルで通信と電源を同時に送る仕組み |
| 分電盤 | 電気の回路を分け、ブレーカーをまとめた盤。コンセントを増やすときは回路の余裕を確認する |
| 全熱交換器 | 換気しながら熱を回収し、室温の変化を抑える装置。オフィスビルの換気で一般的 |
法規・防災の用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 排煙 | 火災時の煙を外へ逃がすこと。部屋の床面積に応じた開口部などが必要 |
| 感知器 | 火災の煙や熱を感知する設備。間仕切りで部屋を増やすと増設が必要になることがある |
| 内装制限 | 建物の用途や規模に応じて、壁・天井の仕上げに不燃・準不燃材料などが求められる決まり |
| 防火区画 | 火災の広がりを防ぐため、建物を一定の面積ごとに区切る壁・床・防火戸 |
| 誘導灯 | 非常口や避難の方向を示す照明。レイアウト変更で見えにくくなると増設が必要になることがある |
| 防炎物品 | カーテンやじゅうたんなど、一定の建物で防炎性能が求められる物品。防炎ラベルで確認する |
家具の用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 差尺 | 椅子の座面から机の天板までの高さの差 |
| ファイルメーター(fm) | 書類を横に並べた長さで、量を表す単位 |
| シンクロロッキング | 背もたれと座面が連動して傾く椅子の機構 |
| ランバーサポート | 腰を支える椅子の部品 |
| スタッキング | 椅子を上に積み重ねて収納すること |
| ネスティング | 椅子やテーブルを前後に入れ子状に重ねて収納すること |
移転・賃貸契約の用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 解約予告 | 退去の一定期間前までに貸主へ通知する義務。期間は契約によって異なり、移転スケジュールの起点になる |
| フリーレント | 入居後の一定期間、賃料が免除される条件。移転時の二重家賃の負担を和らげる |
| 二重家賃 | 旧オフィスと新オフィスの賃料が重なって発生する期間の費用 |
| 坪単価 | 1坪(約3.3㎡)あたりの賃料や工事費。物件や見積もりの比較に使う |
| 共益費 | 共用部の維持管理にかかる費用。賃料とは別に請求されることが多い |
| スケルトン | 内装や設備がほとんどない状態で引き渡される物件。内装の自由度が高い反面、工事が大きくなる |
契約に関する用語は、物件や契約形態によって意味や条件が異なることがあります。具体的な内容は契約書で確認しましょう。
図面の読み方に関する用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 平面図 | 建物を上から見た図。壁・扉・柱・家具の配置を表す |
| レイアウト図 | 平面図に家具や設備の配置を描き込んだ図 |
| 展開図 | 部屋の壁面を正面から見た図。棚や造作、コンセントの高さを確認できる |
| 芯々(しんしん) | 柱や壁の中心線どうしの距離。実際に使える寸法(内法)とは異なる |
| 内法(うちのり) | 壁や柱の内側どうしの実際の寸法。家具が入るかどうかの確認に使う |
| スパン | 柱と柱の間隔。デスクの島や通路の配置を決める基準になる |
芯々寸法と内法寸法を取り違えると、家具が入らない・通路が狭くなるといった失敗につながります。図面の寸法がどちらを示しているか、必ず確認しましょう。
ICT・セキュリティの用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 入退室管理 | カードや生体認証などで、部屋への出入りを制限・記録する仕組み |
| セキュリティゾーニング | 情報の重要度に応じて、エリアごとに入室できる人を分ける考え方 |
| アクセスポイント | 無線LANの電波を発信する機器。台数と配置で通信の安定性が変わる |
| ラック | サーバーやネットワーク機器を収納する棚。重量と発熱への配慮が必要 |
| VPN | 社外から安全に社内ネットワークへ接続するための仕組み |
家具の仕様に関する用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 幕板 | デスクの脚の間に付ける板。足元の目隠しや強度の補強になる |
| 配線ダクト | デスクの天板下や脚に沿ってケーブルを通す部材 |
| アジャスター | 家具の脚の高さを微調整する部品。床の傾きによるガタつきを抑える |
| 転倒防止金具 | 収納家具を壁や床、家具どうしで固定する金具 |
| 上下置き | 収納を2段に重ねる設置方法。連結金具で固定する |
打ち合わせで混同しやすい言葉
オフィスづくりの打ち合わせでは、似た言葉が別の意味で使われ、認識のずれが起きることがあります。代表的な例を整理しておきます。
- 「原状回復」と「スケルトン戻し」:入居時の状態に戻すことと、内装をすべて撤去することは同じとは限らない
- 「席数」と「人数」:フリーアドレスでは席数が人数より少ないことがある
- 「工事費」と「総額」:家具・配線・引越し・設計費などが別になっていることが多い
- 「納期」と「設置日」:工場の出荷日なのか、オフィスへの設置完了日なのかを確認する
言葉の定義が曖昧なまま進めると、見積もりやスケジュールの食い違いにつながります。重要な用語は、打ち合わせ記録に定義を書いておくのがおすすめです。
内装・環境に関する用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| タイルカーペット | 約50cm角などのパネル状のカーペット。部分的に交換でき、OAフロアと組み合わせやすい |
| 巾木(はばき) | 壁と床の境目に付ける部材。壁の汚れや傷を防ぐ |
| 軽量鉄骨間仕切り(LGS) | 薄い鋼材の下地にボードを張って作る壁。オフィスの間仕切り壁で多く使われる |
| グレア | 照明や窓の光が画面や目に入り、まぶしさを感じる状態。照明器具や配置で抑える |
| 吸音 | 音を吸収して反響を抑えること。遮音(音を通さないこと)とは異なる |
「吸音」と「遮音」は混同されやすい言葉です。会議室の声漏れを防ぎたいなら遮音、室内の響きを抑えたいなら吸音、と目的に合わせて対策を選びましょう。
働き方・運用に関する用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 稼働率 | 席や会議室が実際に使われている割合。席数や部屋数を決める根拠になる |
| 在席率 | 全社員のうち、オフィスに出社している人の割合。フリーアドレスの席数計画に使う |
| ファシリティマネジメント | オフィスや設備を経営資源として計画・管理・改善していく考え方 |
| ワークプレイス | 働く場所全体を指す言葉。オフィスだけでなく在宅やサテライトを含めることもある |
| サテライトオフィス | 本社から離れた場所に設ける小規模な拠点 |
稼働率や在席率は、測る期間や方法によって数値が変わります。移転や改装の計画に使う場合は、繁忙期と閑散期の両方を確認しておくと判断の精度が上がります。
よくある質問
Q. 用語の意味が業者によって違うことはありますか?
あります。特に工事区分や費用の範囲を示す言葉は、会社や物件ごとに使い方が異なる場合があります。不明な点はその場で確認し、書面に残しておきましょう。
Q. 社内で用語を統一するにはどうすればよいですか?
プロジェクトの最初に用語集を作成し、関係者で共有する方法が効果的です。本記事の表をもとに、自社で使う言葉を追加していくとよいでしょう。
Q. 図面の記号がわからない場合は?
図面の凡例(記号の説明)を確認しましょう。凡例がない場合は、作成した業者に問い合わせるのが確実です。
Q. 新しい用語やカタカナ語が次々に出てきて追いつけません。
すべてを覚える必要はありません。打ち合わせで出てきた言葉をその都度確認し、自社にとって重要なものだけを用語集に加えていけば十分です。わからない言葉はそのままにせず、遠慮なく質問しましょう。
この記事の数値や内容は一般的な目安です。建物の条件や働き方、法令・ビルの規定によって最適な答えは変わります。


