図面の読み方の用語集50|平面図・寸法・記号から設備図まで

図面の読み方の用語集50|平面図・寸法・記号から設備図まで

オフィスの移転やレイアウト変更では、ビルの平面図や業者が描くレイアウト図、設備図など、さまざまな図面を見ながら話が進みます。図面には独特の記号や略語、寸法の書き方があり、読み方を知らないまま進めると「思っていたより狭い」「コンセントが遠い」といった食い違いが後から見つかることもあります。

この記事では、親記事の「図面の読み方」で紹介した基本用語に加えて、図面の種類、線と記号、寸法と高さの基準、設備や区画の表記、レイアウト図の読み解き方まで、さらに50の用語をやさしく解説します。打ち合わせの前に目を通しておくと、図面を見ながら具体的に確認・相談できるようになります。

図面の種類を知る用語

用語 意味
配置図(はいちず) 敷地の中で建物がどこに建っているか、道路や隣地との関係を示す図面です。オフィス移転では、搬入経路や車両の停車位置、建物の出入口の位置を確認するときに役立ちます。
平面図(へいめんず) 建物を床から一般的に1〜1.5m程度の高さで水平に切り、真上から見た図です。壁・柱・建具・窓の位置と寸法が分かり、オフィスのレイアウトを検討するときの土台になります。
立面図(りつめんず) 建物の外観を各方向から真横に見た図です。窓の高さや大きさ、外装の仕上げが分かり、日差しや眺望、外部サインの取り付け位置を検討するときに使われます。
断面図(だんめんず) 建物を垂直に切って横から見た図です。階高・天井高・床の段差・天井裏の空間などが分かり、照明や空調、間仕切を天井まで伸ばせるかどうかの判断材料になります。
矩計図(かなばかりず) 外壁まわりなど建物の一部を断面で大きく描き、床・天井・窓などの高さ関係や下地の構成を細かく示した図面です。断面図より詳しく、納まりの確認に使われます。
詳細図(しょうさいず) 受付カウンターや造作家具、間仕切の端部など、部分的な納まりを大きな縮尺で描いた図です。材料や寸法、取り付け方法まで読み取れ、製作や施工の指示に用いられます。
姿図(すがたず) 家具や建具、造作物などを正面や側面から見た形を描いた図です。外形寸法や扉・引出しの構成、仕上げ材が分かり、見積や製作前の打ち合わせでよく使われます。
施工図(せこうず) 設計図をもとに、施工者が実際に工事を進めるために描く図面です。寸法をより細かく決め、設備や下地との取り合いを調整した内容で、現場ではこちらが作業の基準になります。
竣工図(しゅんこうず) 工事完了時点の実際の状態を反映した図面です。途中の設計変更も含めて最終形が記録されるため、退去時の原状回復や将来の改修で元の状態を確認する根拠になります。
現況図(げんきょうず) 現在の室内の状態を調べて描いた図面です。既存の間仕切・コンセント・家具の位置などを記録し、改修や移転の計画で「今どうなっているか」を関係者で共有するために作ります。
ここがポイント

移転や改修の打ち合わせでは、最初に「どの段階の図面か」を確認しましょう。設計図・施工図・竣工図では内容が異なることがあり、古い図面のまま家具を発注すると、現場の柱や設備と合わないといったズレが起こりがちです。表題欄の日付や改訂番号もあわせて見ておくと安心です。

線・記号・表記の用語

用語 意味
縮尺(しゅくしゃく) 実物の寸法を図面上で何分の一に縮めているかを示す比率です。オフィスの平面図は1/100や1/50、詳細図は1/20〜1/5などが一般的です。印刷サイズを変えると縮尺も変わる点に注意します。
実線・破線・一点鎖線 線の種類で意味を描き分けます。一般的に、実線は見えている外形、破線は隠れた部分や上部にある物、一点鎖線は柱や壁の中心線を表すことが多く、凡例とあわせて読みます。
通り芯(とおりしん) 柱や壁の中心を結ぶ基準線で、X1・Y1のような記号が付きます。「X2通りから○mm」のように位置を伝えられるため、図面と現場の位置合わせや打ち合わせの共通言語になります。
寸法線(すんぽうせん) 長さを示すための線で、両端の矢印や黒丸などの端末記号と寸法の数値で構成されます。建築図面では長さをmm単位で書き、単位記号を省略するのが一般的です。
引出線(ひきだしせん) 図中の部位から線を引き出し、材料名や仕上げ、注記などを書き込むための線です。図形の中に書ききれない情報を整理して伝えるために使われ、読み落としやすい指示が書かれていることもあります。
凡例(はんれい) 図面で使っている記号や色分け、ハッチングの意味をまとめた一覧です。電気・設備図やゾーニング図は記号が多いため、図を読む前にまず凡例を確認するのが基本です。
方位記号(ほういきごう) 図面上の北の向きを矢印などで示す記号です。窓から日差しが入る方向や西日の影響を読み取れ、ブラインドの選定や席の配置、モニターの向きを考える手がかりになります。
表題欄(ひょうだいらん) 図面枠の中に設けられた、図面名称・縮尺・図面番号・作成日・改訂履歴などを記入する欄です。どの図面のどの版を見ているのかを確かめるときに、最初に見る場所です。
建具記号(たてぐきごう) 扉や窓などの建具を図面上で表す記号です。開き戸は開く軌跡を円弧で描くのが一般的で、開き勝手や吊元が分かるため、扉の前に家具を置けるかどうかの判断に欠かせません。
ハッチング 断面や特定の範囲を斜線や模様で塗り分ける表現です。壁の構造や材料の違い、工事範囲、ゾーンの区分などを示すのに使われ、それぞれの意味は凡例や注記で確認します。

寸法・高さの基準に関する用語

用語 意味
芯々(しんしん) 柱や壁、部材の中心から中心までの距離です。建築図面の基本寸法は芯々で書かれることが多く、壁の厚み分だけ、実際に使える室内の広さより大きい数値になる点に注意が必要です。
内法(うちのり) 壁の内側の面から向かい側の面までの、実際に使える内寸です。家具が並べられるか、通路が確保できるかを判断するときは、芯々ではなく内法の寸法で考えるのが基本です。
外法(そとのり) 部材や家具の外側の面から外側の面までの寸法です。家具のカタログに書かれる幅・奥行き・高さは一般に外法で、搬入経路の幅や設置スペースとの比較にもこの寸法を使います。
有効寸法(ゆうこうすんぽう) 扉枠や柱型、巾木などを除いて、実際に人や物が通れる・使える寸法です。扉の有効開口幅は扉そのものの幅より小さくなるため、大型家具の搬入可否はこの値で確認します。
スパン 柱と柱の間隔のことで、一般に柱芯から柱芯までの距離で表します。スパンの大きさや規則性によって、デスクの並べ方や会議室の割り付けの自由度が大きく変わってきます。
天井高(てんじょうだか) 床の仕上げ面から天井の仕上げ面までの高さで、図面では「CH」と略して書かれます。オフィスでは2,500〜2,800mm程度が一例です。梁の下や設備まわりは低くなることがあるため個別に確認します。
FL(エフエル) Floor Levelの略で、各階の床の高さの基準です。「FL+700」のように床から何mmの高さかを示すのに使われ、コンセントやスイッチ、棚板の取り付け高さを表すときに登場します。
GL(ジーエル) Ground Levelの略で、地盤面の高さの基準です。1階の床がGLから何mm上にあるかなどを示し、エントランスの段差や、搬入時にスロープが必要かどうかを考える際に関係します。
階高(かいだか) ある階の床から上の階の床までの高さです。天井高に天井裏の空間や床の厚みなどを加えたもので、天井内に空調ダクトや配線をどれだけ通せるかを考える目安になります。
墨出し(すみだし) 図面の寸法を、現場の床や壁に線や印で写し出す作業です。間仕切や家具の位置、配線の取り出し口などを実寸で確認でき、施工前に図面とのズレを見つける機会にもなります。
ここがポイント

「芯々」と「内法」の違いは、レイアウトでつまずきやすいポイントです。たとえば芯々3,600mmの部屋でも、壁の厚みや柱型を差し引くと、内法は一例として数百mm小さくなることがあります。家具を置く・通路を取る検討は内法、建物の基準を共有するときは芯々、と使い分けて読みましょう。

設備・区画を読み取る用語

用語 意味
PS(パイプスペース) 給排水管などの配管を上下階に通すために縦に設けられたスペースです。点検口の前には物を置けないことが多く、給湯コーナーの位置もPSとの距離で決まることがよくあります。
EPS(イーピーエス) 電気の幹線や通信ケーブルを上下階に通すための縦のスペースです。分電盤や通信機器が置かれることがあり、ネットワーク機器の設置場所や配線ルートを考えるときの起点になります。
DS(ダクトスペース) 空調や換気のダクトを上下階に通すためのスペースです。平面図では壁で囲われた小さな区画として描かれ、移設は難しいため、レイアウトでは動かせない要素として扱います。
防火区画(ぼうかくかく) 火災の拡大を防ぐため、一定の面積や用途ごとに耐火性能のある壁・床・防火設備で区切った範囲です。図面では太線や色で示されることが多く、壁の穴あけや変更には制約があります。
防火戸(ぼうかど) 防火区画の開口部などに設けられ、火災時に閉じて延焼を防ぐ扉です。普段は開いているタイプもあり、閉まる範囲に物を置くと作動を妨げるため、扉まわりの家具配置には注意が必要とされています。
仕上表(しあげひょう) 部屋ごとの床・壁・天井・巾木などの仕上げ材を一覧にした表です。素材や張り方などが分かり、内装の変更範囲や、ビルの標準仕様との違いを確認するときに使います。
建具表(たてぐひょう) 扉や窓などの建具ごとに、寸法・材質・開き方・鍵や金物の仕様をまとめた表です。図面の建具記号と番号で対応しており、電気錠を付けられるかどうかの確認にも役立ちます。
電気設備図(でんきせつびず) 照明・コンセント・スイッチ・分電盤・配線ルートなどを記号で示した図面です。デスクや複合機の配置と電源位置を突き合わせ、容量不足や延長コードの多用を防ぐために読みます。
空調設備図(くうちょうせつびず) 空調機の吹出口・吸込口、室内機、ダクト、操作スイッチの位置などを示した図面です。間仕切で部屋を区切ると空調が届かない区画ができることがあるため、計画時の確認が欠かせません。
防災設備図(ぼうさいせつびず) 感知器・スプリンクラー・非常照明・誘導灯などの位置を示した図面です。間仕切や背の高い家具を追加すると設置基準に影響する場合があり、所轄の消防署への確認が必要になることがあります。

レイアウト図を読み解く用語

用語 意味
レイアウト図 平面図の上に、デスク・収納・会議テーブルなどの家具や間仕切の配置を描き込んだ図です。席数や通路、各ゾーンの関係が一目で分かり、社内の合意や見積・発注の基準資料になります。
什器リスト(じゅうきリスト) レイアウト図に描いた家具を、番号・品名・サイズ・数量で一覧にした表です。図面上の番号と対応させることで、発注漏れや設置位置の間違いを防ぐ役割があります。
通路幅(つうろはば) 人が通るためのスペースの幅です。一例として、主通路は1,200mm以上、席の後ろの通路は1,000mm前後を目安にすることが多く、避難経路としての基準はビルの規定や法令もあわせて確認します。
動線(どうせん) 人や物が移動する経路を線で表したものです。来客・社員・荷物の動きを図に描き込むことで、通路の混雑や、来客と執務エリアの交差など、レイアウトの問題点を見つけやすくなります。
モジュール 設計の基準となる寸法の単位です。天井の照明や空調、OAフロアのパネル、家具の幅などが一定の寸法の倍数でそろえられていることが多く、それに合わせると配置がきれいに納まります。
柱型(はしらがた) 壁際や室内に張り出した柱の外形部分です。平面図では壁から出っ張った四角形で描かれ、家具の配置や通路幅を狭める要因になるため、内法寸法とあわせて確認します。
展開図(てんかいず) 部屋の内側から各壁面を見た図を、壁ごとに並べて描いたものです。窓・扉・コンセント・スイッチの高さや、壁面収納やモニターの取り付け位置など、高さ方向の情報が読み取れます。
CAD(キャド) コンピューターで図面を作成・編集するソフトの総称です。正確な寸法で描けるため、レイアウトの複数案の比較や修正、内装・設備の各業者との図面の共有を効率よく行えます。
DXF・DWG CADデータの代表的なファイル形式です。DXFは異なるCADソフトの間でやり取りしやすい形式として広く使われています。PDFと違って寸法を正確に測れるため、ビルの図面はCADデータでもらえると便利です。
改訂(かいてい) 図面を修正したときに、表題欄や改訂欄に日付・内容・記号を記録することです。打ち合わせのたびに図面が更新されるため、関係者全員が最新版を見ているかを確認するときの手がかりになります。

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