内装・工事の用語集50|工事区分・下地・仕上げ・間仕切まで
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オフィスの内装工事では、見積書や工程表、打ち合わせの中に「B工事」「LGS」「巾木」「天井伏図」といった専門用語が数多く登場します。言葉の意味がわからないままでは、見積の内訳を比べたり、工事の範囲や責任分担を確認したりすることが難しくなります。
この記事では、内装・工事に関する用語を50語選び、工事区分と手続き、床・天井・壁の下地、仕上げ材、間仕切と建具、工事の進め方と法令の5つに分けて解説します。見積の確認やビル側とのやり取りの前に、手元の資料としてお役立てください。
工事区分と工事の手続き
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| A工事 | ビルの所有者が費用を負担し、ビル側の業者が行う工事です。建物の躯体や共用部、外装、共用の設備など、ビル全体の資産に関わる部分が対象になります。テナントが費用を負担することは基本的にありません。 |
| B工事 | テナントの要望で行うものの、ビルの設備や安全に関わるため、ビル側が指定する業者が施工する工事です。空調の増設や移設、防災設備、分電盤の変更などが代表例で、費用はテナント負担になるのが一般的です。 |
| C工事 | テナントが費用を負担し、テナントが選んだ業者で行う工事です。間仕切や床・壁の仕上げ、家具、電話・LAN配線などが代表例です。ただしビルの承認や工事のルールには従う必要があります。 |
| 工事区分表 | どの工事がA・B・Cのどれにあたるかを一覧にした表です。ビルごとに内容が異なり、同じ照明工事でもB工事扱いになる場合があります。見積や工程に大きく影響するため、契約前後の早い段階で入手して確認します。 |
| ビル側指定業者 | B工事などを担当するよう、ビル側が指定している施工業者です。テナントが自由に業者を選べないため相見積が取りにくく、費用や日程の調整に時間がかかることがあります。早めの依頼が大切です。 |
| 原状回復 | 退去時に、借りた区画を契約で定められた状態に戻すことです。入居時に設けた間仕切や配線の撤去、床や壁の仕上げ直しなどが含まれます。範囲や仕様は契約書とビルの規定によって大きく異なります。 |
| 居抜き | 前のテナントの内装や設備を残したまま次のテナントが入居する方法です。工事費や工期を抑えられる可能性がある一方、不要な造作の撤去費や、退去時の原状回復の範囲が複雑になる点に注意が必要です。 |
| 工事申請(工事届) | 内装工事を始める前に、ビル管理会社へ工事内容や図面、工程、作業員などを届け出て承認を得る手続きです。承認を受けるまで着工できないことが多いため、提出期限を工程表に組み込んでおきます。 |
| 夜間・休日工事 | 他のテナントへの騒音や振動、共用部の使用への影響を避けるため、平日の夜間や休日に行う工事です。ビルによっては音の出る作業の時間帯が決められており、人件費が割増しになるのが一般的です。 |
| 養生(ようじょう) | 工事や搬入の際に、床や壁、エレベーターなどを傷や汚れから守るためにシートやボードで覆うことです。共用部の養生範囲や方法はビルごとに決められていることが多く、事前の確認が必要です。 |
ここがポイント
同じ内容の工事でも、ビルによってB工事になるかC工事になるかが変わります。工事区分表を早めに入手し、B工事にあたる項目はビル側指定業者の見積と日程を先に押さえておくと、全体の予算と工程がぶれにくくなります。
床・天井・壁の下地
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| OAフロア | 床の上に一定の高さのパネルを敷き、その下の空間に電源やLANの配線を通す二重床です。配線が足元に露出せず、レイアウト変更にも対応しやすくなります。高さによって配線の通しやすさや段差処理が変わります。 |
| 床荷重 | 床が安全に支えられる重さの目安で、1平方メートルあたりの重量で示されます。書庫や金庫、大型の複合機、サーバーラックなどの重量物は、ビルの許容荷重を確認し、必要に応じて補強や配置の工夫をします。 |
| 墨出し(すみだし) | 図面の寸法をもとに、間仕切や家具の位置を床や天井に実際に印していく作業です。墨出しの正確さが仕上がりに直結するため、設備や柱との位置関係をこの段階で現場確認するのが一般的です。 |
| LGS(軽量鉄骨下地) | 薄い鋼板を曲げて作った軽量の鉄骨材で、間仕切壁や天井の骨組みに使われます。木材に比べて燃えにくく、品質が均一で狂いが少ないため、オフィスの内装工事で広く使われています。 |
| 天井下地(野縁・吊りボルト) | 天井材を取り付けるための骨組みです。上の構造体から吊りボルトを下ろし、そこに野縁と呼ばれる部材を格子状に組んで天井板を張ります。照明や空調の位置変更では下地の補強が必要になることもあります。 |
| システム天井 | 天井板、照明、空調吹出口、感知器などを一定のモジュールに組み込んだ天井です。レイアウトの変更時に設備を移設しやすいのが利点で、多くのオフィスビルで採用されています。間仕切はモジュールに合わせると納まりがよくなります。 |
| 在来天井 | 下地を組んで石膏ボードなどを張り、仕上げをする従来型の天井です。形状やデザインの自由度が高い一方、設備の位置を変えるには天井を部分的に開けて補修する必要があり、手間がかかることがあります。 |
| 石膏ボード | 石膏を紙で挟んだ板状の建材で、壁や天井の下地として最も一般的に使われます。燃えにくく加工しやすいのが特徴です。仕上げにはクロス張りや塗装をするほか、二重張りで遮音性を高める方法もあります。 |
| 天井伏図(てんじょうぶせず) | 天井を下から見上げた状態を、床に映したように描いた図面です。照明、空調、感知器、スピーカーなどの位置がわかり、間仕切を立てたときにこれらの設備がどの部屋に入るかを確認するのに使います。 |
| 間仕切壁(固定間仕切) | LGSと石膏ボードなどで現場で組み立てる、建物に固定された壁です。遮音性や防火性を確保しやすい一方、移設には解体と復旧が必要です。天井までの高さで仕切ると、消防設備の追加が必要になる場合があります。 |
仕上げ材と内装材料
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| タイルカーペット | 一般的に50cm角ほどの正方形のカーペットを敷き並べる床材です。OAフロアのパネルを開けやすく、汚れた部分だけ交換できるため、オフィスの床仕上げとして広く使われています。張り方向で見た目も変わります。 |
| 長尺塩ビシート | ロール状の塩化ビニル製の床材で、継ぎ目が少なく水や汚れに強いのが特徴です。給湯室や倉庫、通路など、水を使う場所や台車が通る場所によく使われます。継ぎ目は溶接して仕上げることがあります。 |
| ビニルクロス | 塩化ビニルを主な材料とした壁紙で、オフィスの壁仕上げとして最も一般的です。色柄が豊富で価格も比較的抑えやすく、張り替えも容易です。防火性能を持つ製品を選ぶのが一般的です。 |
| アクセントクロス | 空間の一部の壁だけに、周囲と異なる色や柄の壁紙を使う手法です。会議室やエントランスの印象づけ、ゾーンの区別に効果的です。少ない面積で雰囲気を変えられるため、費用対効果の高い演出とされます。 |
| 巾木(はばき) | 壁と床の境目に取り付ける細い部材です。掃除機やモップ、足元の衝撃から壁を守り、床と壁の隙間を隠す役割があります。ソフト巾木と呼ばれる樹脂製のものがオフィスでは多く使われます。 |
| 見切り材 | 異なる素材が接する部分や、仕上げ材の端部に取り付けてきれいに納めるための部材です。床材の切り替え部分やOAフロアの端部などに使われ、段差によるつまずきの防止にも役立ちます。 |
| 化粧シート(化粧フィルム) | 木目や石目、金属調などの柄を印刷した粘着付きのシートで、既存の扉や壁、什器の表面に貼って仕上げを変えられます。撤去が比較的容易なため、原状回復が求められる賃貸オフィスでも使いやすい材料です。 |
| EP塗装(エマルションペイント) | 水性の合成樹脂塗料による塗装で、壁や天井の仕上げに使われます。においが少なく室内の工事に向いています。クロスに比べて継ぎ目がなく、マットで落ち着いた仕上がりになるのが特徴です。 |
| ガラスフィルム(目隠しフィルム) | ガラスの面に貼るフィルムで、すりガラス調の目隠し、飛散防止、日射の調整、デザインの付加などの目的で使われます。ガラス間仕切の会議室では、目線の高さに帯状に貼る方法がよく選ばれます。 |
| 不燃材料 | 燃焼しにくく、有害な煙やガスを発生しにくいと国が定めた基準を満たす材料です。建物の用途や規模によっては、壁や天井の仕上げに不燃材料などの使用が求められます。採用前に適合を確認します。 |
間仕切と建具
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| スチールパーティション | 鋼板のパネルを組み合わせた工場生産の間仕切です。工期が短く、移設や再利用がしやすいのが特徴です。天井まで仕切るタイプと、上部を開けるタイプがあり、遮音性能も製品によって異なります。 |
| ガラスパーティション | ガラスを使った間仕切で、会議室や役員室を仕切っても開放感と明るさを保てます。中の様子が見えることで利用状況もわかりやすくなります。目隠しや衝突防止のためにフィルムを併用するのが一般的です。 |
| ローパーティション | 人の背丈程度かそれより低い、天井まで届かない間仕切です。視線をゆるやかに遮りながら空気や光を通せます。天井まで達しないため、消防設備の変更が不要になる場合が多いのも利点です。 |
| 框ドア(かまちドア) | 扉の周囲を枠(框)で組み、その内側にガラスなどをはめ込んだドアです。会議室などで中の様子を見せたい場合に使われます。ガラス部分を大きくすると開放感が出ますが、目隠しの検討も必要です。 |
| フラッシュドア | 骨組みの両面に板を張った、表面が平らなドアです。軽量で価格も比較的抑えられるため、オフィスの室内ドアとして一般的に使われます。遮音性を高めたい部屋では仕様を確認します。 |
| 引戸(ひきど) | 横にスライドさせて開閉する戸です。開閉のためのスペースが前後に不要なため、通路や狭い部屋の出入口に向いています。ただし引き込むための壁面が必要で、気密性や遮音性は開き戸より劣る傾向があります。 |
| ドアクローザー | 開いたドアを自動的にゆっくり閉める装置です。閉め忘れを防ぎ、音や衝撃を抑えます。防火戸では閉まることが求められる場合があるほか、セキュリティのために確実に閉める目的でも取り付けられます。 |
| 欄間(らんま) | ドアの上部から天井までの部分のことです。オフィスでは、ガラスやパネルで欄間を構成することで天井まで仕切ったり、光を通したりします。欄間を開けておくと空調や消防設備の影響が少なくなる場合があります。 |
| 吸音 | 音を吸収して反射を減らすことです。会議室で声が響いたり、オープンなフロアで話し声が広がったりするのを抑えます。天井や壁の吸音パネル、間仕切内部の吸音材、カーペットなどで対策します。 |
| 遮音 | 壁などで音を跳ね返し、隣の部屋へ伝わりにくくすることです。吸音とは目的が異なり、重く隙間のない構造ほど効果が高いとされます。役員室や面談室では、天井裏までの区画やドアの隙間対策も検討します。 |
ここがポイント
天井まで届く間仕切を新設すると、感知器やスプリンクラー、排煙などの消防設備の追加や移設が必要になる場合があります。間仕切の高さや欄間の扱いは、費用と法令の両面から設計段階で確認しましょう。
工事の進め方と法令・品質
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 現地調査 | 工事の計画前に、現場の寸法や設備の位置、搬入経路、天井裏や床下の状況などを実際に確認することです。図面と現況が違うことも少なくないため、正確な見積と設計のために欠かせない工程です。 |
| 基本設計・実施設計 | 基本設計はレイアウトや仕様の方向性を決める段階、実施設計は工事に必要な寸法や材料、設備を詳細に図面化する段階です。実施設計がまとまってから正式な見積や工事申請に進むのが一般的な流れです。 |
| 施工図 | 設計図をもとに、施工業者が実際に工事をするために描く詳細な図面です。部材の寸法や取り合い、納まりなどが細かく描かれます。設備や間仕切の複数の業者が関わる場合、施工図での調整が重要になります。 |
| 工程表 | 工事の作業内容と日程を時間軸で示した表です。解体、下地、設備、仕上げ、家具搬入などの順序と期間がわかります。ビルの工事可能時間や申請期限、引越し日から逆算して組み立てます。 |
| 搬入経路 | 資材や家具を建物の外から設置場所まで運ぶルートのことです。エレベーターの寸法や積載量、廊下や扉の幅を確認し、大型の家具や長い資材が通るかを事前に検討します。使用時間がビルで決められていることもあります。 |
| 竣工検査(しゅんこうけんさ) | 工事が完了した段階で、図面どおりに仕上がっているか、不具合がないかを確認する検査です。施工者の社内検査、発注者の立会い検査、ビル側の検査などがあり、指摘事項を是正してから引き渡しとなります。 |
| 手直し(是正工事) | 検査で見つかった傷や汚れ、仕上げの不良、図面との相違などを修正する作業です。指摘事項はリストにして、誰がいつまでに直すかを明確にし、修正後に再度確認するのが一般的な進め方です。 |
| 内装制限 | 火災時の延焼や煙の拡大を防ぐため、建物の用途や規模に応じて、壁や天井の仕上げに燃えにくい材料を使うよう定めた法令上の規定です。適用の有無や範囲は建物によって異なるため、設計段階で確認します。 |
| 防炎物品 | カーテンやブラインド、じゅうたんなどのうち、燃えにくい性能を持つと認められたものです。一定の規模や用途の建物では、防炎物品の使用が求められる場合があります。所轄の消防署やビル側に確認するのが確実です。 |
| グレア | 視界に入る強いまぶしさのことで、照明器具や窓からの光、モニターへの映り込みなどが原因になります。器具の選定や配置、ブラインドの設置、モニターの向きの工夫で抑えることができます。 |
この記事の数値や内容は一般的な目安です。建物の条件や働き方、法令・ビルの規定によって最適な答えは変わります。