OAフロアとは?高さの種類と、配線計画で失敗しないポイント

OAフロアとは?高さの種類と、配線計画で失敗しないポイント

オフィスの床をめくると、その下に電源やLANのケーブルが通っていることがあります。これが「OAフロア(フリーアクセスフロア)」です。

この記事では、OAフロアの種類と、配線計画のポイントを解説します。

後半では、高さの決め方の根拠、床荷重・段差の注意点、配線容量の見積もり方、工事の進め方と費用の考え方、よくある失敗について詳しく解説します。

結論

一般的なオフィスでは、床の高さが40〜100mm程度のOAフロアが多く使われます。ケーブルの量が多い場合や、将来の増設が見込まれる場合は、高さに余裕のあるものを選びます。床下配線は、デスクのレイアウトと電源・LANの取り出し位置をセットで決めるのが失敗しないコツです。

OAフロアの種類

種類 高さの目安 特徴
置き敷きタイプ 40〜70mm程度 既存の床の上に敷く。工事が簡単で、改修でも導入しやすい
支柱(ベースセット)タイプ 100mm以上 支柱で床を支える。配線容量が大きく、空調の吹出しに使う方式も
ここがポイント

既存のオフィスにOAフロアを後から敷くと、床が高くなる分、入口や廊下との段差が生じます。段差をなくすスロープの設置も合わせて計画しましょう。

配線計画のポイント

  1. デスクのレイアウトを決める
  2. 島ごと・席ごとに必要な電源とLANの数を出す
  3. 床からの取り出し位置(床面のコンセント・配線孔)を決める
  4. 電気の分電盤・ネットワーク機器からのルートを確認する
  5. 将来の増設を見込んで、配管や予備のケーブルを入れておく

OAフロアがない場合

  • 床に配線カバー(モール)を敷いてケーブルを保護する
  • 天井からポール(配線用の柱)を下ろして電源を取る
  • 壁際に配線ダクトを設ける
  • 配線機能付きのデスク(天板下に配線トレー)を選ぶ

高さの決め方:配線量から逆算する

OAフロアの高さは、床下に通すケーブルの量と、床下で交差させる配線の数で決まります。高くするほど配線の自由度は上がりますが、出入口や既存床との段差が大きくなります。

床下の主な用途 高さの考え方
LAN・電源の一般的な配線 比較的低いタイプで足りることが多い
配線の交差が多い・将来の増設が多い 余裕のある高さを検討
サーバー室・大量の配線 高めのタイプや専用の設計を検討
ここがポイント

迷ったときは、現在の配線量に将来の増設分を見込んで決めるのが基本です。後から床を高くするのは大がかりな工事になります。

床荷重と段差の注意点

  • 重量物:書庫・金庫・複合機・サーバーラックなどは、パネルの耐荷重を確認し、必要に応じて補強する
  • 段差:OAフロアを敷いた部分と敷かない部分の境目にはスロープが必要。つまずきや台車の通行に配慮する
  • 扉:床が上がる分、扉の下端が当たる場合がある。開閉の確認が必要
  • 建物の床荷重:OAフロア自体も重量があるため、建物の床荷重の条件を管理会社に確認する

配線容量と取り出し口の計画

OAフロアを敷いても、ケーブルを床上に出す「取り出し口」の位置が悪いと、結局は床の上を配線が這うことになります。デスク配置と同時に取り出し口の位置を決めることが重要です。

  1. デスク・複合機・会議テーブルなど電源が必要な位置を図面に落とす
  2. 分電盤やネットワーク機器からの配線ルートを決める
  3. 取り出し口を家具の脚や天板配線口の近くに配置する
  4. 将来のレイアウト変更に備え、予備の取り出し口を設ける
OAフロアの端部処理
OAフロアの端部処理

工事の進め方と費用の考え方

OAフロア工事は、内装工事・電気工事・ネットワーク工事と密接に関係するため、工程の順番が重要です。一般的には、床の敷設→床下配線→パネル仕上げ→タイルカーペット敷設→家具搬入の順で進みます。

ここがポイント

費用は面積・高さ・タイプ・既存床の状態によって変わります。賃貸オフィスでは、OAフロアが入居者負担の工事となるか、原状回復の対象になるかを契約内容や管理会社に確認しておきましょう。

よくある失敗と対策

失敗例 対策
取り出し口が机の真ん中に来てしまった 家具配置を確定してから位置を決める
床下の配線がからまり、増設できない 配線ルートを整理し、種類ごとに分けて通す
段差でつまずく・台車が通りにくい スロープの勾配と位置を確認する
パネルがガタつく 脚の高さ調整と定期点検を行う

レイアウト変更に強い床にするコツ

OAフロアの最大のメリットは、レイアウト変更のたびに床を工事しなくても配線を組み替えられることです。そのメリットを最大限に生かすには、敷設時の工夫が欠かせません。

  • 取り出し口を一定の間隔で設け、どの位置にデスクを置いても近くに配線口があるようにする
  • 電源とLANは床下で混在させず、ルートを分けて通す
  • 床下の配線図を作成し、変更のたびに更新する
  • パネルに番号を振っておくと、配線の位置を特定しやすい
ここがポイント

床下の配線図は、移転や退去時の撤去工事でも役立ちます。「どこに何が通っているか」を記録に残すことが、長く使いやすい床を保つ秘訣です。

よくある質問

Q. OAフロアの上に直接タイルカーペットを敷けますか?

一般的にはパネルの上にタイルカーペットを敷きます。パネルの継ぎ目とカーペットの目地をずらすことで、ガタつきやめくれを防ぎやすくなります。

Q. 退去時にOAフロアは撤去が必要ですか?

建物や契約によって異なります。入居者が設置したものは撤去が必要な場合が多いため、契約内容を確認し、管理会社と事前に協議しておくことをおすすめします。

Q. 床下の配線はどのくらいの頻度で点検すべきですか?

レイアウト変更や機器の入れ替えのタイミングで点検するのが現実的です。不要になったケーブルをその都度撤去しておくと、床下が混雑しにくくなります。

Q. OAフロアのパネルは自分で外してよいですか?

パネルの着脱自体は簡単なものが多いですが、床下には電源配線があるため、配線を動かす作業は専門業者に依頼するのが安全です。

この記事の数値や内容は一般的な目安です。建物の条件や働き方、法令・ビルの規定によって最適な答えは変わります。

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