10〜30名の小規模オフィスのレイアウト

10〜30名の小規模オフィスのレイアウト|限られた面積を広く使うコツ

小規模なオフィスでは、執務席を並べただけで面積の大半が埋まり、会議室や収納の場所が足りなくなりがちです。

この記事では、10〜30名規模のオフィスで、限られた面積を最大限に活かすレイアウトの考え方を紹介します。

小規模オフィスでは、1㎡の使い方の差が働きやすさに直結します。「何をどこで兼用するか」を先に決めてから家具を選ぶと、無駄のないレイアウトになります。

結論

小規模オフィスでは、「1つの場所に複数の役割を持たせる」のが基本です。打ち合わせスペースを休憩や来客対応と兼用する、収納を間仕切りとして使う、ロングデスクで席数を柔軟にする、といった工夫で、面積以上の使い勝手を実現できます。

黒い会議テーブルと淡い色のチェアの会議室。小規模オフィスでは来客と社内会議を兼用することが多い
黒い会議テーブルと淡い色のチェアの会議室。小規模オフィスでは来客と社内会議を兼用することが多い

兼用できる場所をつくる

  • 会議室=応接室=休憩スペース:家具を選べば1室で兼用できる
  • 受付=打ち合わせ席:入口近くにテーブルを置き、来客対応にも使う
  • 収納=間仕切り:H1,050前後の収納で、執務エリアと打ち合わせスペースをゆるやかに区切る

デスクの選び方で席数が変わる

1人1台の単体デスクより、ロングデスク(大型の天板)の方が、同じ面積に多くの人が座れ、人数の増減にも柔軟に対応できます。脚の位置が座る位置を制約しないタイプを選ぶと、6人掛けを7人で使う、といった調整も可能です。

ここがポイント

小規模オフィスでは、窓際に向かって座るカウンター席を設けると、面積を取らずに集中席を増やせます。

窓際のカウンター席。執務と休憩の両方に使える
窓際のカウンター席。執務と休憩の両方に使える
白いデスクと収納を組み合わせた執務室
白いデスクと収納を組み合わせた執務室
窓際の小会議室とメッシュチェア
窓際の小会議室とメッシュチェア

見落としがちなポイント

  • 複合機・シュレッダーの置き場所と、紙の動線
  • 電話・Web会議の声が響かない場所があるか
  • 荷物・コートを置く場所
  • 将来の増員時に、どこに席を足すか

人数別に考えるゾーニングの目安

同じ「小規模オフィス」でも、10名と30名では必要な機能の優先順位が変わります。人数が少ないほど兼用の比率を高め、人数が増えるほど専用スペースを少しずつ切り出していくのが基本の考え方です。

人数規模 執務エリアの考え方 打ち合わせ・会議 優先したい専用スペース
10名前後 ロングデスク1〜2列で島をつくる 打ち合わせテーブル1つを来客・会議・休憩で兼用 収納と複合機置き場
15〜20名 島を2〜3つに分け、部署ごとにまとまる 小会議室1室+オープンな打ち合わせ席 Web会議用の個室・ブース
20〜30名 固定席とフリーな席を組み合わせる 会議室2室程度、または可動間仕切りで分割 応接・集中席・倉庫
ここがポイント

人数が増えて最初に不足しやすいのは「会議室」よりも「Web会議ができる静かな場所」です。ブース1台分の余地を最初から確保しておくと後で慌てません。

通路幅と家具寸法の「最低ライン」

面積を詰めすぎると、椅子を引いたときに背後を人が通れない、扉が家具に当たる、といった使いにくさが生まれます。小規模オフィスほど通路の確保を図面段階で確認しておくことが大切です。

  • デスクの背面同士で人が通る場合は、椅子を引いた状態でも通れる幅を確保する
  • 主要な通路(出入口〜執務エリア〜複合機)は、物を持ってすれ違える幅を目安にする
  • 扉の開閉範囲、キャビネットの引き出しを引いた範囲には家具を置かない
  • 避難経路となる通路は、ビルの規定や消防上のルールに従い、物を置かない運用にする

図面上で余裕があるように見えても、実際には段ボールや荷物が通路に置かれがちです。「置き場のない物は通路に出る」と考え、収納量を先に見積もっておきましょう。

壁面収納とベンチデスクの執務エリア
壁面収納とベンチデスクの執務エリア

よくある失敗と対策

失敗例 原因 対策
席は足りたが打ち合わせ場所がない 執務席を優先して面積を使い切った 計画初期に兼用スペースの位置を先に決める
電話やWeb会議の声が全体に響く 間仕切りがなく音が拡散する 吸音パネルやブース、壁際の席配置で対策
コンセントが足りず延長コードだらけ 家具配置と電源計画を別々に検討した レイアウト確定後に床配線・OAタップの位置を決める
入口から執務席が丸見え 受付まわりの目隠しを想定していなかった 収納やローパーティションで視線を切る
ここがポイント

小規模オフィスの失敗の多くは「配置図だけで決めて、使われ方を想定していない」ことから起こります。1日の動き(出社・打ち合わせ・来客・退社)を図面上でなぞって確認すると、問題点が見えてきます。

計画から入居までの進め方

  1. 現状の人数・今後1〜3年の増員見込み・来客頻度を整理する
  2. 必要な機能(執務・会議・応接・収納・休憩)を書き出し、兼用できるものを決める
  3. ビルの図面で電源・空調・照明・非常設備の位置を確認する
  4. レイアウト案を2〜3案つくり、通路と動線をチェックする
  5. 家具・配線・内装工事の範囲と工期をすり合わせる
  6. 入居後1〜2か月で使われ方を確認し、小さく調整する

小規模オフィスは工事規模が小さい分、家具の納期がスケジュールを左右しがちです。受注生産品や在庫の少ない色は時間がかかることがあるため、入居日から逆算して早めに仕様を確定しましょう。

増員・縮小に備えるレイアウトの工夫

成長段階の企業では、数年のうちに人数が大きく変わることも珍しくありません。最初のレイアウトで「どこに席を足すか」「どこを削るか」を決めておくと、追加の工事や家具の買い替えを抑えられます。

  • ロングデスクは天板を継ぎ足せるタイプにしておく
  • 打ち合わせスペースを将来の増席エリアとして位置づけておく
  • 床配線は余裕を持った回路数・コンセント数にしておく
  • 可動式の収納やパーティションで、区切り方を後から変えられるようにする
ここがポイント

「今の人数にぴったり」のレイアウトは、1人増えただけで窮屈になります。数席分の余白をあらかじめ確保しておくのが、結果的にコストを抑えるコツです。

よくある質問

Q. 10名程度のオフィスでも会議室は必要ですか?

来客が多い、社外秘の話が多いといった場合は小さな個室があると便利です。そうでなければ、打ち合わせテーブルを兼用し、Web会議用のブースを置く方が面積を有効に使えることが多いです。

Q. フリーアドレスは小規模オフィスでも有効ですか?

外出や在宅が多く出社率が低い場合は有効です。全員がほぼ毎日出社する場合は、固定席の方が運用が簡単なこともあります。出社率を把握してから判断しましょう。

Q. 収納はどれくらい用意すればよいですか?

現在の書類・備品の量を棚の長さで測り、今後の増減を見込んで決めるのが確実です。電子化を進める予定があれば、それも加味して過剰な収納を避けましょう。

この記事の数値や内容は一般的な目安です。建物の条件や働き方、法令・ビルの規定によって最適な答えは変わります。

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