サーバールーム・ネットワークラックの置き場所

サーバールーム・ネットワークラックの置き場所|空調・電源・セキュリティの注意点

クラウドの普及でオフィスにサーバーを置く機会は減りましたが、ネットワーク機器や電話の主装置、入退室管理や防犯カメラの機器など、オフィスに置く機器は今も少なくありません。

この記事では、これらの機器の置き場所を計画するときの注意点を解説します。

あわせて、規模別の考え方、熱と電源容量の見積もり方、ラックの選び方、運用ルールまで、専門的なポイントを解説します。

結論

機器が少ない場合は、鍵付きのラックを執務エリアから離れた場所に置く方法で十分です。機器が多い場合は専用のサーバールームを設け、24時間稼働できる空調、専用の電源回路と無停電電源装置(UPS)、入退室の制限を確保します。

機器の置き場所は、執務エリアから離しつつ管理しやすい場所に
機器の置き場所は、執務エリアから離しつつ管理しやすい場所に

ラックかサーバールームか

方法 向いているケース
小型のラック(壁掛け・床置き) ネットワーク機器・電話の主装置など、機器が少ない
床置きの大型ラック 複数のサーバーや機器をまとめて置く
サーバールーム 機器が多い、24時間稼働、厳重な管理が必要

空調と電源

  • 機器は熱を出し続けるため、ビルの空調が止まる夜間・休日でも動く専用の空調が必要な場合がある
  • 機器ごとの消費電力を確認し、専用の電源回路を用意する
  • 停電時に安全に停止できるよう、無停電電源装置(UPS)を設ける
  • 床の耐荷重を確認する(ラックや蓄電池は重い)
ここがポイント

ビルの空調が夜間・休日に止まる場合、狭い部屋に機器を置くと室温が上がり、故障の原因になります。専用空調の設置を、ビル側と早めに相談しましょう。

天井の設備や配線ルートも、機器の置き場所に関わる
天井の設備や配線ルートも、機器の置き場所に関わる
小部屋をサーバールームにする場合は、空調の確保が最重要
小部屋をサーバールームにする場合は、空調の確保が最重要

セキュリティと防災

  • 入室できる人を限定する(入退室管理・鍵)
  • 防犯カメラで出入りを記録する
  • 水まわりの真下や、窓際の直射日光が当たる場所は避ける
  • 消火設備の種類を確認する(水による消火が機器に影響する場合も)
  • 配線を整理し、ラベルで管理する

規模別に見る機器の置き方

規模の目安 置き方の例 ポイント
小規模(機器が少ない) 壁掛けの小型ラック・収納家具 施錠と通気を確保
中規模 執務エリアの隅に自立型ラック 専用スペースと騒音への配慮
大規模・サーバーが多い 専用のサーバールーム 空調・電源・入退室管理を一体で計画

クラウドサービスの利用が増えたことで、社内に置く機器は以前より少なくなる傾向があります。それでも、回線機器やスイッチ、無線の制御機器などは社内に必要となるため、置き場所の計画は欠かせません。

ここがポイント

「とりあえず空いている場所に置く」と、後から騒音や熱で問題が出がちです。機器の数と将来の増設を見込んで、最初に置き場所を決めることが大切です。

先行配線のLANケーブル
先行配線のLANケーブル

熱と電源容量の見積もり方

機器は動いている間ずっと熱を出し続けます。そのため、空調は人がいない夜間や休日も動かす必要がある点に注意が必要です。

  • 機器ごとの消費電力を一覧にし、合計の電力と発熱量の目安を把握する
  • オフィスの空調が夜間・休日に止まるビルでは、専用の空調が必要になる場合がある
  • ラック用の電源は、他の機器と分けた専用の回路にするのが望ましい
  • 停電時に備えて、無停電電源装置(UPS)でどれくらいの時間を確保するか決める
ここがポイント

電源の増設や専用空調の設置は、ビルの設備容量や工事のルールに左右されます。計画の早い段階でビル管理会社や専門業者に確認しましょう。

ラック選びのチェックリスト

  1. 収納する機器の大きさ(奥行き・高さ)と数を確認する
  2. 将来の機器追加に備えた空きスペースを見込む
  3. 前後の扉の施錠と、通気(メッシュ扉など)を確認する
  4. 配線をまとめるための部材や、電源タップの取り付け位置を確認する
  5. 床の耐荷重と、地震時の固定方法を確認する
  6. 前後に作業スペースを確保できるかを確認する
ここがポイント

ラックの奥行きが足りないと、機器が収まらなかったり背面の配線が扉に当たったりします。機器の奥行きに配線の余裕を加えて選ぶのがコツです。

運用ルールと日常の管理

  • ラックやサーバールームの鍵は管理者を決め、貸し出しを記録する
  • ケーブルには両端にラベルを付け、配線図を最新の状態に保つ
  • 室温を定期的に確認し、異常があれば通知されるようにする
  • 機器の周りに段ボールや私物を置かない
  • 保守業者の連絡先と、障害時の対応手順を掲示しておく

機器まわりのトラブルの多くは、配線の乱れや物の置きっぱなしといった日常の管理不足から起こります。定期的に整理整頓する時間を設けることが、安定運用への近道です。

移転時に気をつけること

機器の移設は、業務への影響が大きい作業です。移転の計画とは別に、機器の移設計画を立てて進めることをおすすめします。

  1. 移設する機器・処分する機器・新調する機器を整理する
  2. 停止できる時間帯を関係部署と調整する
  3. 移設前に設定のバックアップを取る
  4. 新しい場所の電源・空調・回線が使える状態か事前に確認する
  5. 移設後の動作確認の項目と担当者を決めておく

防災面で追加で考えたいこと

機器の置き場所は、地震や水害など災害への備えも考えて選ぶ必要があります。特に水まわりの近くや、上の階に給排水設備がある場所は、漏水のリスクに注意が必要です。

  • 給湯室やトイレの真下・隣は避ける
  • ラックは床や壁に固定し、地震時の転倒を防ぐ
  • 重要なデータは社外にもバックアップを取り、機器の損傷に備える
  • 消火設備の種類と、機器への影響を確認しておく
ここがポイント

防災設備の仕様は建物によって異なります。必要に応じてビル管理会社や専門業者に相談しましょう。

よくある質問

Q. ラックを執務エリアに置いても問題ありませんか?

小規模であれば可能ですが、ファンの騒音や熱が気になる場合があります。人の席から離れた場所に置き、施錠できるタイプを選ぶとよいでしょう。

Q. 空調は普通のオフィス用で足りますか?

機器の発熱量が少なければ問題ない場合もありますが、オフィスの空調が夜間や休日に止まるビルでは注意が必要です。発熱量とビルの空調の運転時間を確認したうえで判断しましょう。

Q. UPSはどのくらいの時間もてばよいですか?

一般的には、停電時に機器を安全に停止するまでの時間を確保する考え方が多く用いられます。業務への影響度に応じて、必要な時間を検討しましょう。

この記事の数値や内容は一般的な目安です。建物の条件や働き方、法令・ビルの規定によって最適な答えは変わります。

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