オフィスの書類削減・ペーパーレスの進め方|収納を減らしてスペースを生み出す
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オフィスの面積の中で、意外と大きな割合を占めているのが書類の収納です。書類を減らせば、その分を会議室やコミュニケーションスペースに使えます。
この記事では、オフィスの書類削減の進め方を、収納計画の視点から解説します。
後半では、ペーパーレスを進める具体的な手順とスケジュール、電子化する書類の選び方、保存に関する法令への一般的な向き合い方、削減後の空間活用、よくある失敗例まで、移転やレイアウト変更を控えた総務担当者向けに実務目線で解説します。
書類削減は、①量を測る(ファイルメーター)②分類する(残す・捨てる・電子化・外部保管)③ルールを決めるの3段階で進めます。保存期間が法律で決まっている書類を確認したうえで、移転やレイアウト変更の期限に合わせて進めると、計画どおりに減らしやすくなります。
書類の量を測る
書類を横一列に並べた長さ(ファイルメーター)で、部署ごとの量を測ります。測り方は「オフィス収納の選び方」で詳しく解説しています。量を数字で把握すると、削減の目標を立てやすくなります。
分類の基準
| 分類 | 対象の例 | 保管方法 |
|---|---|---|
| 手元に残す | 日常的に使う書類、進行中の案件 | デスク近くの収納 |
| 共有で残す | 部署で参照する書類 | 共有の収納庫 |
| 外部に保管 | 保存義務があるが、ほとんど見ない書類 | 書庫・外部倉庫 |
| 電子化する | 参照はするが原本は不要な書類 | スキャンしてデータで保管 |
| 廃棄する | 保存期間を過ぎた書類、データが別にある書類 | 機密書類は溶解処理など |
契約書や会計・税務関係の書類など、法律で保存期間や保存方法が決められているものがあります。電子化する場合も、法律の要件を満たしているかを確認しましょう。
削減した状態を保つルール
- 部署ごとの収納量の上限を決める(収納庫の台数を固定する)
- 年に1回、書類の見直し日を設ける
- 新しい書類は原則データで受け取る・作成する
- 複合機のスキャン機能や、クラウドの共有フォルダを整備する
- 個人の書類はパーソナルロッカーに入る量までにする

ペーパーレスを進める手順とスケジュール
ペーパーレスは「一斉に捨てる日」を決めるだけでは定着しません。現状把握から運用ルールの定着まで、段階を踏んで進めることが成功の近道です。移転を控えている場合は、移転日から逆算して少なくとも数か月前から着手するのが一般的です。
- 現状把握:書類の量をキャビネットの段数や文書の厚さで測り、部署ごとに一覧化する
- 目標設定:移転先の収納量を先に決め、そこから削減目標を部署ごとに割り当てる
- ルール作成:保存・廃棄・電子化の基準と、判断に迷うときの相談先を決める
- 整理期間:部署ごとに期限を設けて仕分けを進める
- 電子化と廃棄:電子化する書類のスキャン、機密書類の処理を行う
- 定着:新しい書類が増えない仕組み(電子承認・共有フォルダのルール)を運用する
目標を「全社で何割削減」とするよりも、「移転先の収納に入る量」として部署ごとに具体的な段数で示すほうが、現場が動きやすくなります。
電子化する書類・紙で残す書類の選び方
すべての書類を電子化する必要はありません。スキャンには手間と費用がかかるため、電子化の効果が高い書類から優先して取り組みます。
| 書類の種類 | おすすめの対応 | 理由 |
|---|---|---|
| 日常的に参照する資料・マニュアル | 電子化して共有フォルダへ | 検索性と共有のしやすさが向上する |
| 保存期間が決まっている帳票 | 保存要件を確認したうえで電子化または外部保管 | 法令や社内規程に沿った保存が必要 |
| ほとんど参照しない過去資料 | 保存期間を確認し、期限を過ぎたものは廃棄 | 保管コストに見合わない |
| 原本が必要な契約書など | 原本を保管し、写しを電子化 | 原本性が求められることがある |
「念のため残す」という書類が増えると、削減は進みません。判断に迷う書類は、保存期間と最後に参照した時期を基準に、部署の責任者が判断するルールにしておくと進めやすくなります。
保存に関するルールへの向き合い方
帳票類や契約書など、一部の書類には法令や社内規程で保存期間や保存方法が定められています。電子化して原本を廃棄してよいかどうかは、書類の種類や保存要件によって異なります。
- まず自社の文書管理規程を確認し、書類ごとの保存期間を一覧にする
- 電子保存に関する要件は、一般的に検索性や改ざん防止などが求められるため、運用方法を事前に確認する
- 税務・会計に関わる書類は、顧問税理士や担当部署に確認してから対応する
- 判断が難しいものは、当面は外部の文書保管サービスに預けるという選択肢もある
法令の要件は改正されることもあります。最新の情報は所管の行政機関や専門家に確認し、社内の規程もあわせて見直しましょう。
削減した後の空間の活かし方
書類を減らしたことで生まれたスペースを、どう活用するかまで計画しておくことが大切です。空いた場所に新たな書類や私物がたまってしまっては、ペーパーレスの効果が薄れてしまいます。
- キャビネットを減らした分を、打ち合わせスペースや集中ブースに転用する
- 個人の収納を減らし、共有の収納やパーソナルロッカーに切り替える
- 移転時は、削減後の書類量をもとに収納家具の数を決めて賃料面積を抑える
- 背の高い収納を減らして、見通しのよい明るいオフィスにする
収納家具を減らすことは、家具の購入費用や移転時の運搬費用の削減にもつながります。
よくある失敗例と対策
- スキャンしたファイルが見つからない:フォルダ構成とファイル名のルールを先に決めてから電子化を始める
- 移転後に書類が元の量に戻った:紙で回覧・承認する業務フローが残っていた。業務の流れそのものを電子化する
- 必要な原本まで廃棄してしまった:廃棄前に責任者の確認を挟み、廃棄リストを残す
- 一部の部署だけ取り組みが進まない:部署ごとの進捗を見える化し、期限を明確にする
ペーパーレスは、一度で完璧を目指すよりも、まず収納量の上限を決めて「それ以上は増やさない」仕組みをつくることが効果的です。
よくある質問
Q. 複合機のスキャン機能だけでペーパーレスは進められますか?
少量であれば可能ですが、大量の書類を電子化する場合は時間と人手がかかります。量が多い場合は、スキャン代行サービスの利用も検討するとよいでしょう。
Q. 個人の書類はどう扱えばよいですか?
個人の引き出しやキャビネットに保管している書類も、共有の書類と同じ基準で仕分けます。個人の収納量に上限を設けると、整理が進みやすくなります。
Q. ペーパーレス化でプリンターは減らせますか?
印刷量が減れば、プリンターや複合機の台数を見直せる場合があります。利用状況を把握したうえで、配置と台数を検討しましょう。
この記事の数値や内容は一般的な目安です。建物の条件や働き方、法令・ビルの規定によって最適な答えは変わります。


