オフィスの温度・湿度の目安

オフィスの温度・湿度の目安|暑い・寒いの不満を減らす空調と家具の工夫

「窓際は暑い」「吹出口の下は寒い」――同じオフィスの中でも、席によって感じ方が大きく違うことがあります。

この記事では、オフィスの温度・湿度の目安と、不満を減らすための対策を解説します。

温熱環境の不満は「設定温度」だけでは解決しません。測る・原因を切り分ける・場所ごとに対策するという順序で取り組むと、効果が出やすくなります。

結論

オフィスの室温は18〜28℃、湿度は40〜70%が目安とされています。ただし、同じ設定温度でも、窓際・吹出口の近く・人が密集する場所では体感が変わるため、空調の吹出しの向き、席の配置、ブラインドやサーキュレーターの活用で、場所による差を小さくすることが大切です。

窓際は、季節によって暑さ・寒さの影響を受けやすい
窓際は、季節によって暑さ・寒さの影響を受けやすい

温度差が生まれる原因

場所 起こりやすいこと
窓際 夏は日射で暑く、冬は窓からの冷気で寒い
空調の吹出口の真下 冷風・温風が直接当たる
人や機器が多い場所 人の体温や機器の熱で暑くなる
会議室 人数が多いと急に暑くなる
奥側・閉じた部屋 空気がこもり、温度が上がりやすい

空調でできる対策

  • 吹出口の向き(風向)を、人に直接当たらないよう調整する
  • サーキュレーターで空気をかき混ぜ、上下の温度差を減らす
  • 会議室など人数が変わる部屋は、個別に温度を調整できるようにする
  • 湿度が低い冬は加湿器を、高い夏は除湿運転を活用する
ここがポイント

「暑い」と感じる人と「寒い」と感じる人が同じオフィスにいるのは自然なことです。席を選べるフリーアドレスでは、温度の違うエリアを「選べる」ことが、満足度を上げる工夫にもなります。

会議室は人数で室温が変わりやすい
会議室は人数で室温が変わりやすい
ゆったりした配置は、空気の流れもよくなる
ゆったりした配置は、空気の流れもよくなる

レイアウトと家具でできる対策

  • 吹出口の真下に席を置かない
  • 窓際はブラインドで日射を調整し、窓から少し離して席を配置する
  • ひざ掛けや小型の足元ヒーターなど、個人で調整できる手段を用意する
  • 背の高い家具で空気の流れをさえぎらない
天井の照明と空調
天井の照明と空調

体感温度を左右する6つの要素

人が感じる暑さ・寒さは、室温だけで決まるわけではありません。一般的に、環境側の4要素(気温・湿度・気流・放射)と、人側の2要素(活動量・着衣量)の組み合わせで体感が変わるとされています。同じ26℃でも、風が当たる席と当たらない席、窓の近くと遠くでは感じ方がまったく違います。

要素 オフィスでの例 対策の方向性
気温 空調の設定温度 エリアごとの温度ムラを把握する
湿度 冬の乾燥、梅雨時のむしむし 加湿・除湿で40〜70%を目安に
気流 吹出口からの風、すきま風 風向調整、席配置の変更
放射 窓ガラスや日射の熱、冷えた窓面 ブラインド、窓から距離をとる
活動量 座り作業、歩き回る業務 部署の業務内容に応じた席配置
着衣量 季節や服装規定 服装の自由度を上げる
ここがポイント

「設定温度を1℃下げてほしい」という要望の原因が、実は日射や気流であることも少なくありません。要素に分けて考えると、空調以外の対策が見えてきます。

測定と記録の進め方

不満の声だけで判断すると、声の大きい人の意見に偏りがちです。まずは温湿度を実際に測り、場所と時間による差を把握しましょう。

  1. 窓際・中央・吹出口付近・会議室など、代表的な場所に温湿度計を置く
  2. 机の高さ(座った人の体の位置)で測る
  3. 朝・昼・夕方など時間帯を変えて、1〜2週間記録する
  4. 夏・冬など季節ごとに同じ場所で測り、比較する
  5. 記録をもとに、ビル管理者へ空調の調整を相談する

測定した数値があれば、ビル側にも具体的に状況を伝えられます。「窓際の席が午後に何度まで上がる」といった情報は、空調の調整やブラインド運用の見直しに役立ちます。

季節ごとの注意点

季節 起こりやすい問題 対策の例
夏 窓際の暑さ、外出から戻った人と在席者の体感差 日射遮蔽、吹出口の向き調整、個人用ファン
冬 乾燥、足元の冷え、窓面の冷気 加湿、足元暖房、窓際のカーテン・ブラインド
梅雨 湿度が高く、むしむしする 除湿運転、換気との両立
春・秋(中間期) 冷房と暖房の切り替え時期で温度が不安定 運転モードの切り替え時期をビル側と相談
ここがポイント

冬の乾燥対策で加湿器を使う場合は、こまめな清掃が必要です。手入れを怠ると衛生面で逆効果になることもあるため、管理担当を決めておきましょう。

テナントビルでの空調運用のポイント

テナントビルでは、空調の方式や運転時間がビル側で決められていることが多く、自社だけで自由に調整できないことがあります。入居前・入居後に確認しておきたい項目を整理しておきましょう。

  • 空調の運転時間と、時間外運転の申請方法・費用
  • エリアごとに温度を調整できる単位(ゾーン)の広さ
  • 個別の空調機があるか、中央管理方式か
  • 間仕切りを追加した場合に、空調の吹出口・吸込口が適切に配置されるか
  • 冷暖房の切り替えが自由にできるか

会議室を新設したら、その部屋だけ空調が効かなくなった、というのはよくある失敗です。間仕切り工事の際は、空調の吹出口と吸込口が両方とも部屋の中にあるかを図面で確認しましょう。

よくある失敗と対策

失敗例 原因 対策
設定温度の変更が頻繁に起こる 人によって体感が違い、調整権限が曖昧 調整ルールと担当者を決める
個室会議室だけ暑い 吹出口がない、または換気が不足 空調・換気の追加や運用の工夫
足元だけ寒い 暖かい空気が上にたまる サーキュレーターで上下の空気を混ぜる
加湿器を置いたが効果がない オフィスの広さに対して能力不足 面積に合った能力、設置台数を検討
ここがポイント

温度の不満はゼロにはなりません。「場所を選べる」「個人で調整できる」選択肢を用意し、不満を小さくするという考え方が現実的です。

よくある質問

Q. 室温の基準を超えたら違反になりますか?

18〜28℃や40〜70%は、努力目標として示されている目安です。ただし、働く人の健康に影響が出ないよう、基準に近づける努力が求められます。

Q. 空調の温度設定は誰が決めるべきですか?

総務などの担当部署を決め、調整のルールを明確にするのがおすすめです。各自が自由に変更すると、かえって不満が増えることがあります。

Q. 在宅勤務が増えたら空調の運用はどう変えるべきですか?

出社人数が少ない日は、使うエリアを集約して空調する範囲を絞ると、快適性と省エネを両立しやすくなります。

この記事の数値や内容は一般的な目安です。建物の条件や働き方、法令・ビルの規定によって最適な答えは変わります。

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