オフィスの金庫の選び方

オフィスの金庫の選び方|耐火・防盗の違いと、サイズ・ロック方式・設置場所

契約書や重要書類、現金、データを保管する金庫は、オフィスの「最後の砦」です。

この記事では、オフィスで使う金庫の種類と選び方を解説します。

金庫は一度設置すると移動が大変な設備です。何を・どれだけ・誰が管理するかを先に整理してから選ぶと、買い直しや設置のやり直しを防げます。

結論

書類やデータを火災から守るなら耐火金庫、現金や貴重品を盗難から守るなら防盗金庫を選びます。ロック方式は、管理のしやすさからテンキーやICカードが増えています。重量があるため、床の耐荷重と搬入経路を事前に確認することが欠かせません。

役員室や管理部門の近くに金庫を置くことが多い
役員室や管理部門の近くに金庫を置くことが多い

耐火金庫と防盗金庫

種類 守るもの 特徴
耐火金庫 火災の熱から書類・データを守る 一定時間、内部の温度上昇を抑える。耐火時間で性能を表す
防盗金庫 こじ開け・持ち去りから現金・貴重品を守る 扉や本体が厚く、工具による破壊に耐える
耐火・防盗兼用 両方 重量・価格が大きい
ここがポイント

紙の書類と、USBメモリなどの電子媒体では、守るために必要な温度が違います。データを保管するなら、データ用の耐火性能を持つ金庫を選びましょう。

サイズとロック方式

  • サイズ:今の保管量の1.5倍程度の容量を目安に
  • ダイヤル式:電源不要で故障が少ない。番号の管理が必要
  • テンキー式:番号の変更が簡単
  • ICカード・指紋:鍵の管理が不要。開閉の履歴を残せるものも
収納と組み合わせて、目立たない場所に設置する
収納と組み合わせて、目立たない場所に設置する
重要書類は、手元の収納と金庫で使い分ける
重要書類は、手元の収納と金庫で使い分ける

設置場所の注意

  • 床の耐荷重(大型の金庫は数百kgになる)
  • 搬入経路(エレベーターの耐荷重・寸法、階段)
  • 地震で動かないよう、床へのアンカー固定
  • 人目につきにくく、管理者の目が届く場所

保管するもの別の選び方

金庫選びは「何を守りたいか」から始まります。同じオフィスでも、部署によって保管するものが異なるため、全社で1台にまとめるのか、部署ごとに置くのかも合わせて検討しましょう。

保管物 重視する性能 選定のポイント
契約書・権利証などの原本 耐火性能 書類の量に合わせた内寸、A4・B4が平置きできるか
現金・小切手・印鑑 防盗性能 開閉履歴、複数人での管理がしやすいロック
USBメモリ・外付けディスク データ用の耐火性能 紙用の耐火金庫ではデータが守れない場合がある
鍵・カード類 管理のしやすさ キーボックス併用や貸出記録が残るタイプ
ここがポイント

印鑑や現金は少量でも、持ち出し管理が重要です。保管量が少ない場合は、小型の防盗金庫を管理者の近くに置く方が運用しやすいこともあります。

耐火性能・防盗性能の見方

金庫の性能は、カタログの表記を正しく読むことが大切です。耐火性能は「何分間、内部温度を一定以下に保てるか」で示されることが一般的で、試験の条件によって意味が変わります。

  • 耐火時間は、建物の構造や想定する火災の規模に合わせて選ぶ
  • 紙用とデータ用では、守るべき内部温度が異なる
  • 防盗性能は、工具による破壊にどれだけ耐えるかの目安で示される
  • 耐火性能と防盗性能は別物で、耐火金庫が盗難に強いとは限らない

性能が高いほど重量と価格は大きくなります。「すべてを最高性能で」ではなく、保管物の重要度と量を整理して、必要な性能を絞り込みましょう。

導入から設置までの手順

  1. 保管物の種類と量を棚卸しし、必要な容量と性能を決める
  2. 設置場所を決め、床の耐荷重をビル管理者や設計者に確認する
  3. 搬入経路(エレベーター、扉、通路の寸法と耐荷重)を確認する
  4. 必要に応じて、床の補強や養生、休日の搬入をビルと調整する
  5. 設置後、アンカー固定と動作確認を行い、管理者に開け方を引き継ぐ
ここがポイント

大型の金庫は、搬入作業に専門の業者が必要になることがあります。移転時は、搬出入と運搬の費用も見込んでおきましょう。

鍵・暗証番号の管理ルール

金庫の安全性は、本体の性能よりも「鍵と番号の管理」に左右されることが少なくありません。担当者の異動や退職で番号が引き継がれないまま、誰も開けられなくなるというトラブルもあります。

  • 暗証番号を知る人を最小限にし、一覧を記録しておく
  • 担当者の異動・退職時には、番号を変更する
  • 予備の鍵や番号の控えは、金庫とは別の場所で保管する
  • 開閉の記録(誰が、いつ、何のために)を残す
  • 電子錠は電池切れに備え、交換時期と非常解錠の方法を確認しておく
ここがポイント

ICカードや指紋認証のタイプは、開閉履歴が残せるものもあり、内部統制や監査の観点から管理しやすくなります。

よくある失敗と対策

失敗例 原因 対策
数年で容量が足りなくなった 現在の保管量だけで選んだ 余裕を見込んで容量を決める
搬入できなかった エレベーターや扉の寸法を確認していない 事前に搬入経路を実測する
地震で金庫が動いた 床への固定をしていなかった アンカー固定を標準にする
データ媒体が熱で破損 紙用の耐火金庫に保管していた データ用の耐火性能を持つ金庫を選ぶ

金庫は長く使う設備だからこそ、導入時の確認が重要です。設置後に移動するのは手間と費用がかかるため、レイアウト計画の初期段階で位置を決めておきましょう。

よくある質問

Q. 金庫は床に固定しないといけませんか?

法律で一律に義務付けられているわけではありませんが、地震時の転倒・移動や持ち去りを防ぐため、固定を推奨します。床の構造によって固定方法が異なるため、ビル側に確認しましょう。

Q. テナントビルの床に大型金庫を置いても大丈夫ですか?

床の耐荷重はビルによって異なります。重量のある金庫を置く場合は、事前にビル管理者へ確認し、必要に応じて荷重を分散させる対策を検討します。

Q. 暗証番号を忘れた場合はどうなりますか?

製品によって解錠方法が異なり、専門の業者に依頼が必要になることもあります。番号の控えを安全な場所に保管しておくことが大切です。

この記事の数値や内容は一般的な目安です。建物の条件や働き方、法令・ビルの規定によって最適な答えは変わります。

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