オフィスの電話・ビジネスフォンの移設

オフィスの電話・ビジネスフォンの移設|クラウドPBXとの比較と、移転時の注意点

移転の準備で見落とされやすいのが電話です。「番号が変わってしまった」「移転初日に電話がつながらない」といったトラブルは、取引先にも迷惑をかけてしまいます。

この記事では、オフィスの電話の仕組みと、移転時に確認すべきポイントを解説します。

後半では、移転までの逆算スケジュール、番号を変えない/変わる場合の対応、配線・機器の手配、切替当日の段取り、よくあるトラブルまで、実務の流れに沿って解説します。

結論

電話番号は、同じ収容局(電話局)のエリア内の移転なら引き継げることが多い一方、エリアが変わると番号が変わる場合があります。主装置を移設するか、スマートフォンやPCで使えるクラウドPBXに切り替えるかは、席の固定度合いや働き方で判断します。

窓際のカウンター席。電話の多い席は、声が周囲に響かない配置を
窓際のカウンター席。電話の多い席は、声が周囲に響かない配置を

オフィスの電話の仕組み

方式 特徴
ビジネスフォン(主装置あり) オフィスに主装置(PBX)を置き、各席の電話機をつなぐ。内線・転送が使える
クラウドPBX 主装置をインターネット上に置き、スマートフォンやPCを内線として使う。場所を選ばない

移転時に確認すること

  • 電話番号を引き継げるか(移転先が同じ収容局のエリアか)
  • 回線の移転工事の予約(繁忙期は1か月以上前に)
  • 主装置・電話機を移設するか、入れ替えるか
  • 電話機の台数と、席のレイアウトに合わせた配線
  • 名刺・ウェブサイト・取引先への番号変更の案内(変わる場合)
ここがポイント

移転の前後で一時的に電話が使えない時間が生じることがあります。転送設定や、旧オフィスと新オフィスの切り替えの時刻を事前に決めておきましょう。

電話や Web会議の多い席には、パネルで囲った個別ブースも有効
電話や Web会議の多い席には、パネルで囲った個別ブースも有効
フリーアドレスでは、固定電話からスマートフォンへの切り替えが進んでいる
フリーアドレスでは、固定電話からスマートフォンへの切り替えが進んでいる

クラウドPBXに切り替えるメリットと注意点

項目 内容
メリット 主装置の移設が不要。テレワークや外出先でも会社の番号で発着信できる。フリーアドレスと相性がよい
注意点 月額費用がかかる。通話品質はネットワーク環境に左右される。緊急通報など一部の機能に制限がある場合も

移転日から逆算したスケジュール

電話の移転は、回線事業者・機器の保守業者・内装業者など複数の関係者が関わるため、思った以上に時間がかかります。特に回線の開通工事は希望日に予約が取れないこともあるため、早めの手配が欠かせません。

時期の目安 主な作業
3〜4か月前 現在の契約・機器・番号の棚卸し、移転後の方式を検討
2〜3か月前 回線の移転・新設の申込み、機器の手配、配線計画
1か月前 内線番号表の作成、席と電話の対応表の確定
1〜2週間前 開通工事、機器の設置・設定、試験通話
移転当日〜翌日 切替、全端末の発着信確認、不具合対応
ここがポイント

移転の時期が年度末などの繁忙期と重なると、工事の予約が取りにくくなる傾向があります。移転日が決まったらすぐに回線の手配を始めるのが鉄則です。

先行配線のLANケーブル
先行配線のLANケーブル

番号を変えずに移転できるか

電話番号を維持できるかどうかは、移転先の地域や回線の種類によって異なります。一般的に、同じ番号区域内の移転であれば番号を維持できることが多い一方、区域をまたぐ場合は変更が必要になることがあります。

  • 現在の番号の種類と契約内容を確認する
  • 移転先で同じ番号が使えるか、回線事業者に確認する
  • 番号が変わる場合は、名刺・Webサイト・封筒・取引先への案内を準備する
  • 旧番号に移転案内を流すサービスの有無を確認する

番号が変わる場合、印刷物の刷り直しや取引先への周知に時間がかかるため、確認は早いほど有利です。

配線と機器の手配

  1. 移転先の電話回線の引き込み位置と、機器を置く場所を確認する
  2. 主装置やネットワーク機器の設置場所の電源・空調を確保する
  3. 各席への配線ルートを、OAフロアやデスク配置と合わせて決める
  4. 電話機の台数・機種・付属品(ヘッドセットなど)を整理する
  5. 保守契約の住所変更や継続の手続きを行う
ここがポイント

ビジネスフォンの主装置は熱を持つため、狭い収納の中に閉じ込めると不具合の原因になります。換気と電源を確保した設置場所を計画しましょう。

切替当日の段取り

切替当日は、電話がつながらない時間をできるだけ短くすることが目標です。旧オフィスと新オフィスで、どの時点で着信を切り替えるかを事前に決めておきます。

  • 切替予定時刻と、つながらない時間帯を社内外に周知しておく
  • 切替直後に代表番号・各部署の番号への着信を確認する
  • 内線・転送・保留・グループ着信の動作を確認する
  • 不具合時の連絡先(回線事業者・保守業者)を一覧にしておく

よくあるトラブルと対策

トラブル 対策
開通工事の予約が移転日に間に合わない 移転日確定後すぐに申込む
FAXや複合機の回線を忘れていた 電話以外に回線を使う機器も棚卸しする
警備・エレベーターなどの通報回線が未確認 ビル側の設備と回線の関係を管理会社に確認する
内線番号が変わり社内が混乱 新旧の内線番号表を事前に配布する

移転前に行う電話環境の棚卸し

移転は、使っていない回線や機器を整理する絶好の機会です。長年使っているオフィスでは、誰も使っていない回線や、目的のわからない契約が残っていることがあります。

確認項目 確認する内容
回線 番号ごとの用途・契約名義・利用状況
機器 主装置・電話機の台数、リース・保守契約の期限
付帯サービス 転送・留守番電話・代表組などの設定
電話以外の利用 FAX・複合機・警備・各種通報装置
ここがポイント

棚卸しの結果をもとに不要な回線を解約すれば、移転後の月々の通信費を見直すきっかけにもなります。

よくある質問

Q. 移転を機にクラウドPBXへ切り替えるべきですか?

外出や在宅勤務が多い、拠点が複数あるといった場合は検討の価値があります。一方、通話品質や停電時の対応、既存機器の残りの契約期間なども判断材料になるため、総合的に比較して決めましょう。

Q. 電話の移転費用はどのくらいかかりますか?

回線の種類、台数、配線工事の範囲、機器を流用するかどうかで大きく変わります。複数の見積もりを取り、工事範囲が同じ条件になっているか確認することが大切です。

Q. 旧オフィスの電話はいつ解約すればよいですか?

新オフィスでの発着信が問題なく確認できてから解約するのが安全です。並行期間を数日設けると、トラブル時の保険になります。

Q. 今使っている電話機は移転先でも使えますか?

主装置ごと移設すれば使えることが多いですが、機器の年数や保守部品の供給状況によっては、移転を機に更新したほうがよい場合もあります。保守業者に状態を確認してもらいましょう。

この記事の数値や内容は一般的な目安です。建物の条件や働き方、法令・ビルの規定によって最適な答えは変わります。

オフィスづくりのことなら、家具・内装・設備までまとめてご相談いただけます。

空間づくりを相談する法人見積を依頼する
ブログに戻る