オフィスづくりの社員アンケートの取り方

オフィスづくりの社員アンケートの取り方|質問項目の例と、結果の活かし方

新しいオフィスを使うのは社員です。社員の声を集めずに計画すると、完成後に「使いにくい」という不満が出ることもあります。

この記事では、オフィスづくりのための社員アンケートの取り方を解説します。

アンケートは「聞いて終わり」にしないことが何より大切です。設問の設計・集計・フィードバックまでを1つのプロジェクトとして計画しましょう。

結論

アンケートは、現状の満足度・困りごと・働き方(1日の時間の使い方)・新しいオフィスへの希望の4つを中心に、5〜10分で答えられる量にまとめます。結果は、多い意見だけでなく、部署ごとの違いにも注目して、レイアウトに反映します。

社員の声をもとにしたオフィスは、完成後も使われ続ける
社員の声をもとにしたオフィスは、完成後も使われ続ける

質問項目の例

分類 質問の例
現状の満足度 今のオフィスの満足度(5段階)、良い点・不満な点
働き方 1日のうち、個人作業・会議・電話・移動の割合
困りごと 集中できない、会議室が足りない、収納が足りないなど(複数選択)
新しいオフィスへの希望 ほしい場所・設備(集中ブース、ラウンジなど)
自由記述 その他のご意見

回答を集めやすくする工夫

  • 5〜10分で答えられる量にする
  • 選択式を中心に、自由記述は最後に1〜2問
  • 回答期間は1〜2週間
  • 目的と、結果をどう使うかを最初に伝える
  • 匿名にすると、率直な意見が集まりやすい
「休憩できる場所がほしい」は、アンケートで多く見られる声
「休憩できる場所がほしい」は、アンケートで多く見られる声
会議室の不足は、利用データとあわせて確認する
会議室の不足は、利用データとあわせて確認する

結果の活かし方

  • 全体で多い意見と、部署ごとの違いを分けて見る
  • 「働き方の割合」から、必要な席の種類と数を考える
  • 結果と、その結果をどう反映したかを社員に共有する
  • 完成後にもう一度アンケートをとり、改善につなげる
ここがポイント

アンケートだけでなく、会議室の予約記録や、フロアの在席状況の観察を組み合わせると、実際の使われ方がより正確にわかります。

アンケートの目的と実施タイミング

オフィスづくりのアンケートは、プロジェクトの段階によって目的が変わります。同じ質問を毎回するのではなく、段階に合わせて内容を変えることで、必要な情報を効率よく集められます。

段階 目的 主な質問内容
計画初期 現状の課題を把握する 満足度、困りごと、働き方の割合
レイアウト検討中 案に対する意見を集める 複数案のうちどれがよいか、気になる点
入居直前 新しい使い方の理解を深める ルールへの不安、準備しておきたいこと
入居後数か月 計画の効果を確認する 満足度の変化、改善してほしい点
ここがポイント

計画初期と入居後に同じ満足度の質問を入れておくと、変化を比べられ、オフィスへの投資効果を社内に説明しやすくなります。

よい設問・悪い設問の例

設問の書き方ひとつで、回答の質は大きく変わります。曖昧な質問や、答えを誘導する質問は避け、具体的な行動や頻度を聞くように工夫しましょう。

悪い例 問題点 よい例
会議室は足りていますか? 感覚的で、数値化しにくい 会議室が予約できなかったことは、月に何回くらいありますか?
集中ブースがあれば便利だと思いますか? 誘導的で、ほぼ全員が「はい」と答える 集中したいときに、今はどこで作業していますか?
今のオフィスに満足していますか? 理由がわからない 満足度(5段階)+その理由を選択肢で
新しいオフィスに何がほしいですか? 回答がばらばらで集計しにくい 選択肢から優先順位の高い順に3つ選ぶ

「ほしいもの」を自由に聞くと、要望が膨らみがちです。現状の困りごとを中心に聞き、解決策は計画側で考えるという姿勢の方が、実現性の高い計画につながります。

集計・分析の進め方

  1. 回答率を確認し、部署ごとの偏りがないか見る
  2. 選択式の結果を全体と部署別に集計する
  3. 働き方の割合から、職種ごとのタイプ(会議中心、集中作業中心など)を分類する
  4. 自由記述をテーマごとに分類し、頻出する意見を整理する
  5. 会議室の予約記録や在席状況など、他のデータと照らし合わせる
  6. 課題の優先順位をつけ、計画に反映する項目と見送る項目を決める
ここがポイント

自由記述は少数でも重要な指摘が含まれていることがあります。件数だけで判断せず、安全や健康に関わる意見は必ず検討の対象にしましょう。

よくある失敗と対策

失敗例 原因 対策
回答率が低い 目的が伝わらず、質問が多すぎる 目的を明示し、回答時間を短くする
要望が実現できず不満が増えた すべての希望が叶うと期待させた 予算・面積に制約があることを最初に伝える
一部の部署の意見ばかり反映 回答の多い部署に偏った 部署別に集計し、人数比も考慮する
結果が共有されない 集計で満足してしまった 結果と反映内容を社内に報告する

アンケート結果を共有する際は、「採用した意見」だけでなく「今回は見送った意見とその理由」も伝えると、社員の納得感が高まります。

アンケート以外の声の集め方

アンケートは多くの人の意見を集めるのに向いていますが、具体的な使われ方や背景までは見えにくい面があります。ほかの方法と組み合わせると、より立体的に現状を把握できます。

  • ワークショップ:部署の代表者を集め、新しいオフィスの使い方を議論する
  • インタビュー:特定の業務や職種の困りごとを深く聞く
  • 行動観察:一定期間、席や会議室の利用状況を記録する
  • 試行(トライアル):新しい家具やルールを一部で試し、感想を集める
ここがポイント

ワークショップに参加した社員は、新しいオフィスの「推進役」になってくれることが多くあります。計画段階から巻き込むことで、移転後の定着もスムーズになります。

よくある質問

Q. アンケートは記名式と匿名式、どちらがよいですか?

率直な意見を集めたい場合は匿名式がおすすめです。ただし、部署別に集計したい場合は、部署だけを選んでもらう形にすると両立できます。

Q. 回答率はどれくらいあればよいですか?

目安として半数以上の回答があると全体の傾向をつかみやすくなります。部署ごとの回答率にも偏りがないか確認しましょう。

Q. アンケートの結果、要望が多すぎる場合はどうすればよいですか?

すべてを実現するのは難しいため、課題の大きさと実現のしやすさで優先順位をつけ、段階的に対応する計画にするとよいでしょう。

この記事の数値や内容は一般的な目安です。建物の条件や働き方、法令・ビルの規定によって最適な答えは変わります。

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