ローパーティションの選び方

ローパーティションの選び方|高さ・素材・連結方法と、空間の区切り方

ローパーティションは、工事をせずに空間を区切れる便利な家具です。執務エリアと打ち合わせスペースを分けたり、通路からの視線をさえぎったりするのに使われます。

この記事では、ローパーティションの選び方を解説します。

後半では、場所別の使い分け、配線・電源との組み合わせ、必要枚数の拾い方、間仕切り壁との比較、発注前のチェックリスト、よくある失敗例まで掘り下げて解説します。

結論

座った人の視線をさえぎるなら高さ1,200〜1,400mm、立った人の視線もさえぎるなら1,600〜1,800mmが目安です。自立させる場合は脚の形と安定性を、連結する場合はL字・T字などの組み方を確認し、背の高いものは壁や床への固定で地震に備えます。

植栽とパーティションで緩やかに区切った執務エリア
植栽とパーティションで緩やかに区切った執務エリア

高さによる効果

高さ 効果
700〜1,000mm程度 足元を隠す。通路との境界をつくる
1,200〜1,400mm程度 座った人の視線をさえぎる。立てば見渡せる
1,600〜1,800mm程度 立った人の視線もさえぎる。打ち合わせスペースの目隠しに
天井近く ほぼ部屋として区切る(消防法上の扱いに注意)

素材の違い

素材 特徴
クロス(布)張り 吸音性がある。色の選択肢が多い
スチール 丈夫で、マグネットが使えるものも
ガラス・アクリル 開放感を保ちながら区切れる
ホワイトボード 書けるパーティションとして会議スペースに
低いパネルで区切ると、視線は抜けつつ気配はわかる
低いパネルで区切ると、視線は抜けつつ気配はわかる
パネルで囲った個別ブース
パネルで囲った個別ブース

設置時の注意

  • 自立させる場合は、脚の形(T字脚・ベース付き)と安定性を確認
  • 連結はL字・T字・コの字に組むと安定する
  • 背の高いものは、壁や床に固定して転倒を防ぐ
  • スプリンクラーや感知器の機能を妨げない高さ・位置に
  • 避難経路や誘導灯をふさがない

場所別に見るパーティションの使い分け

ローパーティションは、置く場所によって求められる役割が変わります。目的を整理してから高さや素材を選ぶと、無駄のない計画になります。

場所 主な目的 おすすめの組み合わせ
デスクの対面 正面の視線を和らげ、集中しやすくする デスク天板上のパネル、または低めの自立パネル
通路との境界 人の往来による気の散りを防ぐ 座った視線をさえぎる高さのパネル
打ち合わせコーナー 周囲からの視線と声を和らげる 背の高い吸音パネルでコの字に囲む
受付まわり 来客から執務エリアを見えにくくする 立った視線をさえぎる高さ+ガラスで圧迫感を軽減
複合機・収納まわり 雑多な印象を隠す 収納家具と同じ高さでそろえる
ここがポイント

同じフロアの中で高さをそろえると、空間がすっきりと整って見えます。高さを変える場合は、役割ごとにルールを決めておくと統一感が出ます。

パネル間仕切で区切った個室
パネル間仕切で区切った個室

配線・電源との組み合わせ

パーティションは、床の配線を隠したり、電源をデスクの近くまで引き込んだりする役割も果たします。

  • 配線ダクト付きのタイプなら、床から上がる配線をパネル内に収められる
  • パネルにコンセントを取り付けられる製品もあり、島型レイアウトの電源確保に便利
  • OAフロアの床下配線の取り出し口と、パネルの位置を合わせる
  • 配線を通す場合は、追加や変更がしやすい構造かを確認する

配線をパネルに組み込むと、レイアウト変更のときに配線工事も必要になります。将来の変更が多そうな場合は、パネルと配線を分けておくほうが柔軟に対応できます。

必要な枚数と部材の拾い方

パーティションの見積では、パネルの枚数だけでなく、連結部材や脚の数も正しく拾う必要があります。図面を見ながら、次の順で確認していきます。

  1. 区切りたい線を図面に描き、全体の長さを測る
  2. パネルの幅の組み合わせで、長さを割り付ける(端数は幅の違うパネルで調整)
  3. 直線・L字・T字・十字の連結部の数を数える
  4. 端部の脚やカバー、固定金具の数を確認する
  5. 扉や開口部が必要な場所を確認する
ここがポイント

パネルの幅は製品ごとに決まった寸法があります。壁と壁の間にぴったり収めたい場合は、端数の処理方法を事前に確認しておきましょう。

間仕切り壁との比較

比較項目 ローパーティション 間仕切り壁(造作・可動間仕切り)
遮音性 低い。視線をさえぎるのが主な役割 高い。会話の内容を守れる
費用 比較的抑えやすい 工事費がかかる
工期 短い。家具として設置できる 長め。設備の移設が必要な場合も
レイアウト変更 容易 工事が必要
設備への影響 天井まで届かない高さなら影響が少ない 空調・防災設備の移設が必要な場合がある

「声が漏れないようにしたい」のか「視線をさえぎりたい」のかで、選ぶべきものが変わります。声の問題を解決したい場合は、ローパーティションでは十分な効果が得られないことがあります。

発注前のチェックリスト

  • 高さと、スプリンクラーや感知器、照明との位置関係
  • 避難経路や誘導灯の見通しをふさいでいないか
  • 通路幅が確保されているか
  • 既存の家具との色・素材の相性
  • 地震時の転倒防止の方法と、ビルへの固定の可否
  • 将来の移設・増設に対応できるシリーズか
ここがポイント

天井近くまでの高さにする場合は、間仕切りとして扱われ、防災設備の追加が必要になる場合があります。建物によって扱いが異なるため、事前にビル管理会社や施工会社に確認しましょう。

よくある失敗例と対策

失敗例 原因 対策
圧迫感が強い 背の高いパネルを多用した 高さを抑え、ガラスや半透明の素材を組み合わせる
パネルが揺れる 自立させる脚の安定性が不足 連結で組む、脚の形を変える
追加購入したら色が合わない 後から別のシリーズを購入した 将来の増設を見込んで予備を検討
声の問題が解決しない 遮音を期待して選んだ 声の対策は間仕切りやブースで行う

よくある質問

Q. パーティションは賃貸オフィスでも設置できますか?

自立させるタイプであれば、床や壁に穴を開けずに設置できる場合が多いです。背の高いものを固定する場合は、ビル側の承認が必要か確認しましょう。

Q. 吸音タイプはどのくらい効果がありますか?

近くの席の声の反響を和らげる効果はありますが、会話を完全に聞こえなくするものではありません。周囲の天井や床の吸音と組み合わせると効果が高まります。

Q. デスクに直接取り付けるタイプとの違いは?

デスク取り付け型は床を占有せず、デスクと一緒に移動できます。自立型は配置の自由度が高く、デスク以外の場所の区切りにも使えます。

この記事の数値や内容は一般的な目安です。建物の条件や働き方、法令・ビルの規定によって最適な答えは変わります。

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