役員室・社長室のつくり方

役員室・社長室のつくり方|広さ・家具・機密性のポイント

役員室は、経営者が考え、決め、人と会う場所です。会社の格を表す空間であると同時に、機密性の高い話をする場所でもあります。

この記事では、役員室・社長室をつくるときの考え方を解説します。

後半では、役員室の配置計画、レイアウトのパターン、照明・空調・設備、個室型とオープン型の比較、計画の進め方と失敗例まで、役員フロアを計画する総務担当者が押さえておきたい実務を解説します。

結論

役員室の広さは、執務席だけなら10〜15㎡、応接セットを置くなら20〜30㎡が目安です。機密性を確保するために天井裏まで仕切った遮音性の高い壁とし、来客が執務エリアを通らずに入れる位置に配置するのが理想です。

ソファとアームチェアを組み合わせた応接室
ソファとアームチェアを組み合わせた応接室

広さと家具の構成

構成 広さの目安 主な家具
執務のみ 10〜15㎡ 役員デスク、チェア、収納
執務+応接 20〜30㎡ 上記+応接セット(ソファ・テーブル)
執務+会議 25〜35㎡ 上記+4〜6人の会議テーブル

機密性の確保

  • 壁は天井裏まで立ち上げ、吸音材を入れる
  • 扉は遮音性のあるものを選ぶ
  • ガラスの場合は、目隠しのフィルムと遮音性の高いガラスを
  • 執務エリアから中が見えない配置にする
ここがポイント

すべての役員に個室を設けるのではなく、役員フロアにオープンな執務席と複数の会議室を設け、必要なときに個室を使う方式も増えています。

木のテーブルとメッシュチェアの会議室。役員会議にも
木のテーブルとメッシュチェアの会議室。役員会議にも
木の天井と長いテーブル。落ち着いた素材は役員フロアに向く
木の天井と長いテーブル。落ち着いた素材は役員フロアに向く

家具選びのポイント

  • デスク:書類を広げられる幅1,600〜1,800mm程度
  • チェア:長時間座れるハイバック。応接の椅子とデザインをそろえる
  • 応接セット:来客と同じ目線で話せる座面の高さ
  • 収納:鍵付き。機密書類は耐火金庫も検討

役員室をどこに置くか

役員室の位置は、来客動線・社員とのコミュニケーション・セキュリティのバランスで決まります。かつては「フロアの一番奥」が定番でしたが、最近は目的に応じて考え方が分かれています。

配置 メリット 注意点
受付・応接の近く 来客対応がスムーズ。執務エリアを通らずに案内できる 社員との距離が遠くなりやすい
執務エリアの近く 社員が相談しやすく、組織の一体感が生まれる 機密性と遮音の確保に工夫が必要
フロアの奥・別フロア 静かで機密性が高い 閉鎖的な印象になりやすい
ここがポイント

秘書や役員補佐の席は、役員室の出入口が見える位置に置くと、来客の取り次ぎやスケジュール調整がしやすくなります。

室内レイアウトのパターン

役員室の中のレイアウトは、「扉を開けたときに何が見えるか」から考えると失敗しにくくなります。

  • デスクは扉が正面に見える向きに置き、背後を壁や窓にすると落ち着いた印象になる
  • 扉を開けてすぐにデスクの画面や書類が見えないよう、デスクの向きと位置を調整する
  • 応接セットは扉に近い側に置き、来客を奥まで通さなくても済むようにする
  • 窓を背にする場合は、逆光で表情が見えにくくならないようブラインドで調整する

応接と執務を同じ部屋で行う場合は、デスク周りの書類が来客の目に触れないよう、収納やパネルで軽く区切る方法もあります。

照明・空調・設備の考え方

役員室は一人で使う時間が長く、来客も多いため、設備面でも配慮が必要です。

  • 照明:執務用の明るさに加え、応接時に落ち着いた雰囲気をつくる調光機能があると便利
  • 空調:個室単位で温度を調整できると快適性が上がる
  • Web会議:カメラ写りを考えた背景と、正面からの照明、遮音性
  • 電源・配線:デスク周りの配線を床下や配線ダクトで隠し、見た目を整える
ここがポイント

Web会議が多い役員室では、背景に機密書類やホワイトボードが写り込まないレイアウトにしておくことも大切です。

個室型とオープン型の比較

すべての役員に個室を設けるか、オープンな役員フロアにするかは、組織の文化や働き方で判断します。

方式 向いているケース 面積の考え方
個室型 機密性の高い業務や来客が多い 役員数×個室の広さが必要
オープン型+会議室 社内のコミュニケーションを重視 個室分の面積を会議室や共有スペースに回せる

オープン型でも、機密の打ち合わせや電話に使える小さな個室を複数用意しておくと、柔軟に使い分けられます。

計画の進め方とよくある失敗

  1. 役員それぞれの使い方(来客頻度・会議の人数・書類の量)をヒアリングする
  2. 個室の要否と広さを決め、フロア全体のレイアウトに組み込む
  3. 遮音・照明・空調の仕様を決め、内装工事に反映する
  4. 家具のグレードと色を決め、応接室や会議室と統一感を持たせる
失敗例 対策
隣の部屋に声が漏れる 壁を天井裏まで立ち上げ、扉の遮音性も確認
広すぎて落ち着かない 用途に合った広さにし、余った面積は会議室へ
家具の納期が間に合わない グレードの高い家具は早めに発注する

よくある質問

Q. 役員室の広さはどのくらいが一般的ですか。

用途によって異なりますが、執務のみなら10〜15㎡、応接や会議を兼ねる場合は20〜35㎡程度がひとつの目安です。使い方のヒアリングから決めるのが確実です。

Q. 役員交代のときに家具を入れ替えるべきですか。

状態がよければ使い続けるのが一般的です。チェアのように体に合わせる家具だけを入れ替える方法もあります。

Q. 役員室の壁はガラスにしても大丈夫ですか。

開放感が出る一方で、視線と音の対策が必要です。目隠しフィルムの範囲と高さ、遮音性の高いガラスや扉を選ぶことで、機密性とのバランスを取れます。

この記事の数値や内容は一般的な目安です。建物の条件や働き方、法令・ビルの規定によって最適な答えは変わります。

オフィスづくりのことなら、家具・内装・設備までまとめてご相談いただけます。

空間づくりを相談する法人見積を依頼する
ブログに戻る